始まりは厨二病
私こと月乃瀬呼姫は今日高校生になる。本当なら嬉しい筈、でも私は今日以降を考えると少し気が重い為、あまり喜ぶことができなかった。なぜ気が重いのか?
それは遡ること約一カ月前のこと…
率直に言うと、私は高校受験に失敗した。その日の私は高校に入れないという事実で完全に頭の容量がキャリーオーバーしてしまっていた。そしてどうしようもないの事があった時、人は何かにすがりたくなるものだ。つまりは神頼みだ。
この行動が私の今後を左右することになるなんてその時の私は思ってもいなかった。
「神様、私も高校生になりたいです。同級生を先輩呼びしたくないです。青春を桜花したいです。このまま暗い人生なんて嫌ですー…」すると神様がお願いを聞き届けてくれたのか、私の一人で空に語りかけている様子を見ていた通行人の男性が
「もしもし、病院ですか?厨二病の患者です。至急救急車を!」とか恐ろしい事を言い出して。なんだかんだで連れて行かれて、いざ病院に運ばれると、医者は
「まだ厨二病は謎の多い病気でして、発病すると奇怪な行動やおかしな言動、幻覚を見ていると訴え始めたりと、症状も様々なうえ、治療法がないので治すことはまだ…。そうですね〜、やはり国の研究機関と連携した学校に行くと良いでしょう。宜しければ紹介しましょうか?」と言った。
丁寧に断りをいれようとして…ん?ここで私は思った。あれ?これで国の運営する学校に行けるんじゃ…。
こうして今に至る。この一カ月、本当に辛かった。厨二病だと周りに納得されるようにたくさんの黒歴史を作り、部屋に入ると布団の中で一人悶絶した。うぅ…どれも思い出したくない。しかし、こうして高校に入れるのなら大したことでは………あるけれど。
折角のチャンス、高校生活を満喫しなければ。