分岐点
誤字脱字指摘お願いします。思ったより、主人公達出せませんでした。
蘭以外の人達が目を覚ますと、司祭と思わしき男性―――カプネ=リアス=ドルトン―――が話し始めた。
「どうか、我々を御救いください!!皆さまッ!!」
最後にカプネはそう言って、締めくくった。カプネは先ほど知った話と変わらない話をした。つまり、戦争が起きるので、助けてほしいと。話が終わっても、蘭は未だ雫の脚の上で眠っている。
クラスメイト達は一様にどうすればいいのか分からず困惑している。すると、静かに話を聞いていた段先生が立ち上がった。
「そうは言われても、この子たちは平和な国でずっと暮らしてきたんです。私も、教育者としてこの子たちを戦争に巻き込ませるわけにはいきません!!元の世界に帰してくださいっ。」
「それは、できません…」
「なっ!?あなた方が私達をここへ連れてきたんでしょう?」
「いえ、今回の召喚は我らが神、ヘルメース様によるもの。我々ではさような事出来ませぬ。」
「そんな…」
帰ることができない―――――それは戦うことを知らない彼らにとって、死刑宣告と変わらない。
皆、顔を絶望に染める。しかし、一人絶望の表情をせず、前を見据える者がいた。彼は立ち上がり、カプネと向き合った。学校の王子様と言われていた、輝山 正義である。名前の通り、強い正義感をもっている。
「帰れないのならば、仕方ないです。オレは、戦います。戦う術は教えてください。」
と言い放った。段先生が止めようとするが、正義は真っ直ぐカプネを見ている。
「ありがとうございます…もちろん戦い方は王国一の者がお教えします。」
少しばかり、仮面の笑顔を外しカプネが微笑んだ。
話がまとまったとばかりに、カプネが案内をしようとしたとき、蘭が目覚めた。起き上がった彼女は、何かに怯えるようにビクリと体を震わせると周りを見回し、カプネに襲いかかった。
「兄様を、何処へやったッ!!!」
その慟哭にも聞こえる叫び声に、クラスメイト達はようやく鈴がいないことに気付いた。皆、自分のことで精一杯で気付けなかったのだ。
「な、何のことだっ!!」
「黒髪の少年だっ!!私によく似た少年を何処にやった!!」
「そんなこと言っても、召喚の影響で髪の色や目の色は変わっているはずだ!分かるわけがないッ」
蘭に組み敷かれているカプネは必死になって叫んだ。その言葉で他のみんなは自分の容姿に起きた、変化に気づく。確かに髪の色が赤や青、紫になっている。だが、蘭の髪は綺麗な銀髪のままだ。
「いや、私の髪の色は変わっていない。兄様も、きっと。……本当に心当たりはないのか。早いところ吐いたほうが身のためだぞ。」
「ひっ…神山に…この教会の裏に…」
「チッ、言っておくが私は、私達は、貴方達のために戦ったりするつもりは無い。自力で帰る方法を見つける。決して、邪魔をするな。」
「何を…あの足手まといを連れて、まだ力も使えない貴方が何が出来る!!」
蘭は、高らかに宣言をすると、カプネの上から降りた。しかし、カプネは何かが納得できないのか蘭に向って表情を歪めた。
「…。」
それを見て、蘭は冷たい瞳を向けると手元に炎の玉を生みだした。突然のことに皆がざわめく。
「無詠唱で!?」
「もういいだろう?私達は自力で生きる。身勝手な神など知らん。」
蘭は言い捨て、この教会を出て行った。誰も彼女に声をかけることも、追うことも出来なかった。
ここから、盛り上がる(予定)分かりずらくなった。ごめんなさい。