プロローグ 兄side
悲願の初投稿!!拙い文章ですが、楽しんでもらえると嬉しいと思ってます。こういうのは、文章長いほうがいいのか短いほうがいいのか…悩みつつ進めていきたいです。
朝日が部屋の中を明るく照らし、二人の少年少女の姿を浮かびだす。少年は、濡れカラスのような漆黒の髪を揺らしながら、体を起こした。長い睫毛を震わせ、日本人にはおよそ見合わない碧眼を覗かせる。何度か瞬きをして完全に覚醒をしたのか、ベッドから降り、隣で未だ眠っている銀髪の妹を起こそうと声をかける。
「蘭。起きて、遅刻しちゃう。」
優しく双子の妹の体を揺すれば、小さな呻き声をあげてその切れ長の蒼い目を薄く開いた。
「にぃ、さま…??」
「わぁっ!?」
蘭が僕に飛びついてきた。いつもより勢いが強くて思わず、驚愕の声が口から洩れた。そのまま押し倒される。僕だって、武道を極めて体も鍛えてるのに……。
「鈴兄様!!今日も愛らしいッッ!!」
今更、抵抗したところで何の意味もなさないのは、よく分かっているのでされるがままじっとしておく。それに気を良くしたのか頭をわしゃわしゃと撫でまわしてくる。あぁっ、髪がぐちゃぐちゃにっ!自分の顔が微妙に引きつっていくのが分かる。そろそろ制止の声をかけようと口を開くと……
「おや、今日もお熱いねぇお二人さん。」
部屋のドアが薄く開いていて、そこから僕らの養父がニヤつきながら、覗いていた。
「私も仲間に入れてくれよ。」
「「……。」」
イラッとした。思わず、蘭を義父様に投げ、僕に投げられた蘭がドロップキックをかます程には。
「う、ぁ!!あっぶなっ!!!」
しかし、ギリギリのところでかわされた。僕は義父様のニヤニヤ顔が崩れたので満足したが、蘭は違ったようだ。一つ舌打ちすると銀の髪を振り乱し、逃げようとする義父様を追いかけて行った。家中から義父様と蘭の声(主に義父様の断末魔の声)が聞こえてくる。聞こえてくる声に苦笑いを浮かべながら、僕も寝室を出た。
ドアを閉める前に見た窓の外の空は、蒼いのに、どこか泣き出しそうな、先を案じているような、重暗い雰囲気をはらんでいた。
そして、それは本当にこれから起こる様々な試練を指していたなど、この時誰も気づくことなど無かった。
次回更新はできるだけ早く頑張ります…誤字脱字教えていただけると嬉しいです。