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第1話:家、ありません

初投稿です。

視点は今後様々に変わる予定もあります。

出来るだけ頻繁に投稿出来るように頑張ります!

 俺の名前は桜木光。簡潔に言おう、高校生ホームレスである!


 家出をきっかけに家を飛び出して自転車で走り続けてたら全然知らない街の公園が自分のホームになっていたのさ!


お金?そんなのねえよ!食事?あー時々この公園で遊んでる子供たちが俺にドングリを持ってくるぐらいだな!まあ食ったことねえけど!


俺が今もってる全財産がこの枕になってる週刊誌!これが結構良い高さなんだ


まあそんなわけで家出するときに握りしめてたわずかな小遣いも消え去り今では公園の水道水だけで一ヶ月生きられる体に成長したってもんよ!!


とはいえ、寝室として使っている公園中央のドーム型滑り台の中もさすがに冬とだけあって雨には濡れずとも成長した体も凍えるくらい寒くなっていた。食べ物を食べれない状況とだけあってもう俺の体にエネルギーはほとんど残されていない、最近は越冬する熊のように寝まくってエネルギーを温存する日々となっている。


とまあ俺の説明はこれくらいにしておく、あんまりエネルギーを使いたくないものでな


それに今日は夜特段に寒いらしいし、もう寝て明日に向けて体力を温存しよう。。んじゃってことでおやすみ~


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


  ---どれくらい寝たのだろうか、目にさしこんでくる光が眩しい


「光?!」


 俺は一目散に飛び起きた、なぜなら俺のここしばらくの公園生活において起床時に目に光という朝食はありえなかったからだ。それに、まだ俺の目は光に慣れてなく周りの情景が把握できていないが、体は日本の冬の朝としては信じられないくらい暖かくて心地よい空気を確かに感じていた。。


 しばらくして目が光に慣れ始めた頃あまりの空気の心地よさにもう一眠りかまそうとしていた俺の脳みそを瞬時にエナジードリンクを樽で飲まされたかのような刺激をまとった野太い声が耳から俺の脳を叩き起こした、


「おい、お前大丈夫か?」

 

 声と同時に俺の眼の前に飛び込んできたのはでっかいとかげの顔だった、彼は言葉を発するなり緑色の鱗のようなもので覆われたがっしりとした腕をこちらに伸ばしてきた。


『よく出来た仮装だな・・・ハロウィンにしては季節外れだけど・・・』


 俺は伸ばされた腕に動揺を隠せずしばらくその腕を見つめていたが脳よりも先に体が目の前にいるとかげ野郎を安全と判断したのか自然と右腕が伸びていった。


とかげ野郎は伸びてきた右手をつかみ俺の体を引き起こした。立ってみると改めてとかげ野郎は立派な体格であることがわかる。背丈は2メートルを超えているだろう巨体で首から下は布で作られた服で覆われている、あとは・・・妙に仮装にしてはリアル・・・だな・・・肌の鱗・・・とか・・・


「大丈夫か兄ちゃん?見ない種族だな、どこから来たんだ?」


とかげ野郎はしばらく黙って突っ立ていた俺に先程と同じ野太い声で聞いてきた、種族ってなんだよと思いつつも会話を続ける


「え、、どこから、、と言われても、、」

「なんだ、自分がどこから来たのかも言えないのか、大丈夫だよ安心しな、俺は人様の住所を他のやつには絶対言わないからな。これは仕事のルールだ、言ったらクビになっちまう」

 

 とかげ野郎は野太い声で笑いながらそう言った。


「ほらよ、安心して住んでるところ教えてくれよ」

「住んでるところ、、」

「おいおい、なんだまだ疑ってるのか?安心して言っ・・・」

「ホームレスなんです!!」


 その時、どれくらい大きな声を出したのだろうか、目の前のとかげ野郎に気を取られすぎていて気づかなかったが周りには沢山の仮装人で溢れていた。


そしてその周りにいた大量の仮装人が驚いた様子で俺に振り返り、目の前にいたとかげ野郎も目を見開いていた。


 周りの仮装人がこちらを見なくなった頃とかげ野郎は一息ついて

「どうしたんだ急に叫んで、『ホームレス』ってなんだ?それがお前の住んでる町の名前か?にしても聞いたこのない名前だなあ・・・」


(ホームレスが通じないだと?!?!)


「あの、違うんです、それは町の名前とかではありません。。」

「なんだよ、町の名前でもないならどういう意味なんだよ」

「その、、ないんです。家が、、ないんです。。」

「家がないだと??まじかよ、親は?お前まだ若いだろ、その、あれか?聞いちゃいけねえことか?」

「親は生きています。僕が家出してきたんです」

「家出かー、俺も若いときに一度や二度したもんだなぁ、まあでも親も心配してるだろ?俺が送って行ってやろうか?」

 

 確かにこのとかげ野郎の言う通り、もう家を出て一ヶ月、親も心配どころか俺のことを死んだ存在だと思っているのかもしれない。今帰れば受験で衝突したことなんか忘れて泣いて歓迎してくれることだろう。


「お前の親はどこに住んでいるんだ?」

「東京です。」

「トウキョウ?なんだそれ?」


 (嘘だろ、、東京で通じないのか?!)


「まあ見たことねえ種族だし、俺の知らない場所なんだろ、この近くに俺の勤めてる不動産事務所があるからそこにおいてる地図で探してみようか。あっそういや俺まだお前に名前教えてなかったな、俺の名前は『ジュウジ』だ、よろしくな。お前の名前は?」

「『ヒカル』です」

「ヒカルか、いい名前じゃねえか、よろしくな。まあ俺に付いてこいや」


それから俺とジュウジはレンガのようなもので作られたヨーロッパのような街並みの通りをしばらく歩いた。ここは本当に日本なのだろうか、とてもメルヘンチックである。


通りには屋台もたくさん出ていて、見たことのない様々な物体が売りに出されていた。そしてそれら屋台の店主、お客、通行人全てがめちゃくちゃリアルな仮装人なのだ・・・!


(なんだなんだ?!俺が知らないだけで今日は超上級者向けのハロウィンかなんかなのか?!)


 そんなことを考えて歩いてるとジュウジの足が止まった、どうやら目的地に着いたようである。


「着いたぞ、俺の職場『不動産事務所 ローレラン』だ」


 そう言ってジュウジは事務所の扉を開いた。そして彼について事務所に入った俺の目に飛び込んできたのはジュウジの体格からすると少し物足りない広さの応接間と綺麗に整理されてある大量の皮のファイルの入った棚、そして一人の少女だった。。


綺麗に整えられた黒髪のショートヘア、頭には(自然に生えてるのかというくらいリアルな)ネコ耳をつけてるようである。温もりのあるミルクのような透き通った肌、ほんのり青色が映える優しい目、年齢は自分と同じぐらいだろうか、まだ若い。


顔が童顔のわりには身体は何処か大人っぽさがあり服の上からでも腕と胸の境界線がうっすら曲線を成していることが分かる。


少女に見とれ、黙ってる俺を見るなり彼女は見た目の落ち着きからは想像出来ない大きな声で出迎えた


「ようこそお客様!!不動産事務所!ローレランへ!あなたにピッタリのお家を紹介いたします!!」




 

 




 



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