第1話 PFO
※注意
ボクのリアルを知っている人にとっては場所や物のモデルが分かるかもしれない
○第1話 PFO
ペルグランデフェドゥスオンライン。
通称PFO。
パソコンに加え、携帯ゲーム機、更には新発売の高性能据え置き型ゲーム機でも基本無料でプレイできる大人気MMORPGだ。
高校3年から始めたこのオンラインゲームも大学2年になった今ではいくつかのクラスをマスターして最高ランクの武器も手にし、そろそろ古参を名乗ってもいいのではないだろうか。
もともと集団生活や協力と言ったことが苦手な私はどんなゲームでも基本ソロプレイヤーだ。プレイスタイルは防御無視の近接猪突猛進超攻撃特化型。所謂、ダメージディーラーというやつだ。
ただ種族ごとに多少のパラメーターの上限に差があるこのゲームで魔法に特化した種族を選んでしまったボ私にとって接近戦は技量勝負なことが多い。加えて防御とHPまで低いときたら、いくら防御無視といえど最低限の回避・防御手段くらいは使う。
「……っと」
横にステップして飛んできた岩を避ける。
相手はチュートリアルにも出てくる雑魚敵だが、このエリアではレベルが格段に高くモーションも早くなって高レベル帯向けに調節されている。
対してレベル上げ中の今のメインクラスはエリアの推奨レベルスレスレ。防御の低さも相まって被弾は避けたいところだ。
「……まあ、ね」
武器を引き抜き技の型をとった体はその場から消え去り次の瞬間。
「たあっ!」
小気味の良い音と共に振り下ろされた刃に切り刻まれたエネミーは光の粒になって爆散する。
やられる前にやる。
これが私のソロとしてのモットーだ。
もっとも、ソロを貫けないこともある。
「……誰かいるなぁ」
薄く表示されたダメージ表示にマップを確認するとエリアの入り口に3人のパーティーがいることを示す点があることを確認する。
ソロパーティーエリアなら自分のパーティーに勝手に人が入ってこないように設定してしまえば基本は1人でいられる。
だが今いるエリアはマルチパーディーエリア。
複数のパーティーが同時に探索できるエリアだ。
PFOではこういうエリアでは人が多ければ多いほどある現象が起きやすくなる。
「お、来た来た」
今しがた入ってきたパーティーの近くに表示された大きな赤いマーカ―を確認。
大型エネミーの出現だ。
中にはめったに現れないものもいて倒した際にレアアイテムがドロップすることもある。もちろん経験値も入りおいしい。それに、もし自分が倒されてしまっても復活させてもらえばペナルティはゼロ。復活させてもらえなくても多少探索系クエストの評価が下がりもらえる通貨と経験値が少量減少するだけのこのゲームで見かけたら倒さない方がもったいない。
助けに入るとかではなくあくまで自分の獲物を狩りに行くだけ。
装備している武器を切り替えると私はそちらへ走り出した。




