第39話 星空
期待。
うれしくもあり、同時に重荷でもある。
そんなことで舞い上がる性格ではないが、多少誇らしくはある。
「……」
自室の窓から見える夜景はきれいだ。
街の光もまぶしすぎなくいいのだが、やはり明かりを消して見上げた空は満点の星空になる。地球では山奥などに行かなくては見れない光景がここでは普通に見れる。
何度か夜の街を散歩したこともある。
未だに船内の防衛や治安維持にあたる防衛隊が動いていないのだから、治安は最高の一言だろう。
都市のように派手なネオンもなく、車の様な乗り物もない。歩行に問題ない程度で足元を照らす暗めの街灯が並んだ林道も整備されており、これが地球ならば人気のデートスポットにでもなりそうな場所もある。
何を思ったのか噴水のある公園も市街地エリアにはある。
他の船がどうなのかは知らないが、1番艦の夜はまるでテーマパークのようにキレイだ。
時々出店が出ているのも散策し甲斐がある。
「……」
そういえば、部屋の窓は開くようになっているが未だに開けたことがなかった。
ここは医療部内の戦闘部員寮でも高い位置にあり、街の喧騒も話し声も届かない。第一、本部の敷地内のためこの建物の周辺で騒ぐ人はいないはず。
一人暮らしをしていたころは都会の喧騒が嫌で窓を閉めていた。それでも聞こえる音に2年生が終わるころに引っ越そうかとさえ思っていたのだ。
今日はもう寝るだけなのだが、まだ時間はある。
だからと言って散歩に行く気分でもなければPFOをする気分でもない。
ただ意味もなく部屋の明かりを消して窓から星空を眺めていたのだ。
どれくらい見ていたのかテレビの斜め前に置かれたデジタル時計は23時間近になっていた。
指定されたエリアの調査と敵対生物の殲滅。
連日与えられる任務は同じだ。
大型のラークに出会うこともあったが、その動きもPFOのボスと似通っていたため特に問題なく倒すことができた。
姿もどこか似ているのだ。
理由は分からないが、それならばこちらは対処しやすいため助かる。単にPFOのモーションや敵が多種多様であるためそれが一致してしまっているだけ、という可能性も考えたが、ここ数日探索してその考えは捨てた。そのモーションや似ている生物の姿がアミル地方のものだけだったからだ。
何かもやもやとした不安は感じるが、どうしようもない。
今はただ、任務をこなすだけだ。
すでに調査が必要とされた地域の半分以上を調査完了しており、次の目的地である惑星も決まっている。
数日中に次の惑星に移れるだろう。




