第26話 準備
「意外と物って多いんだなぁ……」
目の前に山となっている荷物を仕分けしながらつぶやく。
これからの生活に必要なものは少ないと思っていたが、こうして荷造りしていると初めの予想をはるかに超えて荷物の量は多くなっていく。
衣類の量は動きやすく気に入っているものだけを選んだためそこまでではないのだが、なにぶんゲーマーでオタクな面が足を引っ張っている。持っていくと決めたもののスペースには既に大きな鳥のぬいぐるみやら小物雑貨とやらと1人では到底持ちきれない量の物が積まれている。
運搬の面では特に問題ないのは運が良かったのか。
それでも家具類やデジタル機器類は向こうで用意してくれるためこれ以上荷物は増えることはないだろう。
運びやすいようきっちりと隙間なく詰め込むと、今度は置いていくものを保管用の箱に詰め込み始めた。
「多い、って言ってた割には結構コンパクトじゃないかな?……って、重!?」
荷物を取りに来てくれた深川は段ボールを持つと驚きの声をあげる。
「……ゲーマーな故に。あ、それ落としたら蹴ります」
1つ積み込み終わり次の段ボールを持とうとした深川に声をかける。
確かに一番軽い箱だが、その中身は大切な鳥グッズだ。傷つけられては困る。
「……あ、本気だね。気を付けます。それと、そっちの箱は置いてくものだよね?」
指さしたのは壁際に重ねられた頑丈な箱だ。1つ1つにタグが付けられている。
中身は置いていくことにした大量の本や衣類、印刷機などのパソコンの周辺機器といったところだ。
「うん。これはここに置いておいていいんでしょ?」
「そうだね。後で回収に来るはずだから」
とりあえずこれで実家の方の荷物は片付いた。
残るは大学の方の1人暮らしの部屋だが、衣類とこちらと同じく鳥グッズを詰めればよいだけで量も少ないため、そちらはすぐ片付くだろう。
最後に部屋を一通り見ると、こんなにも広かったのかと思えた。
これでもう、計画が終わるまでここに戻ることはない。
残るは出発まで十分に訓練を積むことだけになった。




