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第23話 見えた終わり


 あれからも任務は続いていた。

 怪我をすることもあったが、クレアレアのおかげでかすり傷程度にすんでいた。これがクレアレアを使えなかったら大怪我だったのは分かっている。

「で、踏み込んだら目の前で爆発が起きて仮面にヒビが入ったと」

 深川は見事なヒビが入った仮面を持ち上げてこちらを見る。

 頬にひっかき傷の様な細い傷が出来ていて地味に痛むが、それはその時に何かの破片で切ってしまったものだ。

 痕が残るようなものではないがしばらくは目立つだろう。

「消毒だけしておいて自然治癒だね。しばらく外には素顔で出ないだろうし我慢してね」

「……はぁい」



「うける!すっぱり!すっぱりいってる!」

「……」

 例のごとく机をバンバン叩きながら大笑いするハルを横目にリンゴジュースを一気に飲み干す。

「ここのところ激化してるからな……。僕は参謀部で出撃予定だとか人員配置の作戦を練っているけれど、武装しているって情報が多くなってきてるからね。どこから持ってくるのかってくらいの装備だし」

 そう言えばそうだ。

 日本国内だというのに銃弾がとんできた時には驚いた。その他にも剣同士の一騎打ちになったこともあるが、相手はかなりの経験があったのだろう。挑発してきたところを遠慮なく叩きのめしてしまったのは内緒だ。

 完璧に展開しなくともある程度までなら能力を発揮できるためクレアレアでない人ならばほぼ問題はなくなってきている。

「……あとどれくらいで終わる?」

「聞いて驚け、なんと明日で片が付く予定だ」

「は?」

「実は地方はもう終わっていてて、残るは東京のみになってる。しかも、それも情報部員が話し合いに行くだけで終わりそうだから、実質終わってる」

 凪はどや顔をする。

 いかにも褒めてくれという顔だったので褒めると、うれしそうな顔をした。

 しかし、もう外に出る機会がないというと明日からは何をするのだろう。

 その疑問に、タイミングよく入ってきた結城が答えてくれた。

「やっとだ、やっとコールドスリープを実行できる!」

「じゃあ、ボクらはその補助に……?」

「ああ、そうだ。50回に分けて行うが、そのうち補助してもらうのは25回といったところか。そのあとは最終確認をして、……出発だ」

 ついにここまで来た。

 既にコールドスリープ用の施設は地域ごとに確保できている。

 これからはそこの誘導に入るということか。

「そうそう、大旅団関係者の親族は全員、君達が補助をする最終回つまりは25回目に入っている。それまでに報告がまだの場合は報告は済ませておくように」

「……うん」

「それと、クレアレア各員にはこれまで通り素顔を隠して対応に当たってもらう。今回はクレアレアの行使権は彼ら自身にあるが、行き過ぎた使用がないようにしてもらわねばね」

 一瞬この前の一件がばれたのかと思ったがそういうことではなかったらしい。

 結城なりに私達の事をあんじてくれた言葉だった。

 やはりクレアレアという未知の力に恐怖を感じる人が多いらしく、ネット上では酷い言われようらしい。

 実際に一般人と顔を合わせることが少ないためそこまで感じているわけではないが、やはりPFOでふらりと立ち寄った市街地でよからぬ噂を耳にすることはあった。

 今度は面と向かって向き合うことになる。

 どんな反応をされるか。

 もともとコミュニケーションのうまくない私は特に心配の種なのだろう。

 初対面では冷たいという印象を持たれることも多い。実際、どうかと言われれば反論のしようはないが、なんの恨みもない相手を傷つける気はない。

 ただ、おどおどとしてしまうのもマズイため、簡潔に話してしまうだろう。その結果が何を考えているのかわからない冷たい人という印象なのだが。

 一見おとなしそうで騒がないように見られがちだが、これでも騒ぐときはわさぐし、言う時には言う。

 調子がいい時だけ、というのは今はまだ黙っておこう。



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