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最終章 ~侵食の後の爪痕(3)~
「残念だったな。もし、お前が潔く罪を認めていりゃ、俺も、少しはお前ん家を守るつもりで居たんだけどな・・・。」
「何それ、酷過ぎる!!」
智博は、美咲の法廷での態度を論った上で、心にも無いような言葉を投げ掛けたのだった。
「ホント、あの鈴木とかいうバカ男と同じように、『間違いありません』と素直に言っときゃ良かったのに・・・。」
「・・・。」
まだ、止むことのない智博の罵倒に、美咲の涙は溢れ続けるばかりだった。
「まぁ、もうお前は資産家の令嬢なんかじゃ無くなったと言うことさ!!」
「そんな・・・、ホントに酷いわ・・・。」
「おやおや、ここに来てまだお嬢さん言葉を使うか。」
そして、智博はこんな言葉を浴びせたのだった。
「もし、これからの人生をやり直したいんだったら、いっそ、うちのお茶屋で働いてみるか?まぁ、殆ど働いたことのないお前に、どんくらい続くかは分かんないけど・・・。」
あまりにも度を越えた智博の罵詈雑言に、美咲は怒り心頭だった。そして、遂に美咲は行動を起こしたのだった!!