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第5章 侵食の終焉~2つの秋川家に訪れた明暗(6)~

そして、その凋落ぶりは、組織の外でも窺えるほどになっていた。


かつて、市内の多くの店で陳列されていた秋川農産の製品は、一部の個人商店を除いて、店頭から軒並み姿を消していた。コープ系の店舗は言うに及ばず、直営の販売所やスーパーマーケットでもめっきり見掛けなくなるくらいにまでその傾向は進み、美咲の実家にある倉庫には、これでもかと言う程に、在庫の山が積み重なっていたと言う。


売りたくても売れない、しかし、売っても数日後には殆どが返品と言う悪循環に陥っていたのだが、それだけは無かった。


これは、例の近所のおばさんからの証言なのだが・・・、


「まぁ、あそこん家から、言い争う声が昼夜問わず聞こえて来てねぇ・・・。ほんとに、やかましくてしょうがないよ!!」


そう、娘の不祥事に加え、今年に入ってから急速に進んだ経営の悪化で、残された夫婦間には大きな亀裂が生じていた。


更には、別の住民からも・・・、


「いつもなら、お茶の木が茂ってたり、季節ごとに綺麗な花が沢山咲いてたんだけど、ここ最近は、その両方が荒れ果てちゃってるのよ!!」


と言う証言が飛び出していたのだ。


やはり、農協主導のスリータッグによる排斥の動きが、この凄惨な状況に拍車を掛けていると見ゆるが、本来なら、最も重視せねばならないはずの畑の管理さえままならないほど、秋川農産の経営は、今や風前の灯と化していた・・・。


そして遂に、運命の日はやって来た!!


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