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第2章 侵食の源流~智博の心に芽生えた野望(1)~

しかし、何故こんなにも、智博は美咲にライバル意識を燃やし続けているのか?それは、智博の生い立ちに起因していた。


亡き祖父により、終戦直後から製茶業を営む伊藤家の次男として生まれた智博は、小さな頃から店や農作業を手伝う、近所でも評判の孝行息子だった。智博には兄と弟が居たのだが、兄は控えめな性格で農業よりかは学業に精を出すような男であり、弟も、一応農業高校には進んだものの、同じく大人し目の性格で、音楽に興味を持つ今どきの若者と言った感じだったのだ。


それだけに、両親は積極的に家業を手伝う智博に大きな期待を寄せ、父・謹一郎は「将来の若旦那」とベタ褒めし、母・みさ子も「手伝いもいいけど、少しは勉強もしてくれなきゃね・・・。」と皮肉るくらいの熱心さだった。


「だって、父ちゃんの作るお茶は、日本一だから!!」


それこそが、智博が家業に邁進する最大の原動力となっていたのだが、何と、智博は中学生の段階で既に利き茶が出来るほどの味覚を形成しており、進学に関しても、より詳しいお茶の栽培技術が学べると知った上で、父方の叔父を頼る形で、本来なら学区外の農業高校で学ぶほどだったのである。


そして、小さい頃からの手伝いもあってか、実習授業では群を抜いて卓越した技術を発揮していて、同時にとれる販売士の資格も難なく取得してしまう実力をも持ち合わせていた。

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