表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/50

序章 ~侵食の前の嵐(1)~

その知らせは、正に「寝耳に水」だった。そして、誰もが耳を疑う内容だった。


「ねぇ、ちょっと聞いてって!!」


それは、普段お世話になっている、近所の農家のおばさんの口から発せられた。しかも、何やら尋常じゃないくらいに、焦った様子で。


「何すか?いきなり。」


朝からお茶ッ葉の世話をしていた智博は、そう言って振り向いた。


「何すかって、近くの秋川さんとこの美咲ちゃんが警察に捕まったらしいのよ!!それも、死体遺棄容疑で!!」


「はぁ?」


その秋川さんとこの美咲ちゃんとかいう奴は、智博の小・中学校時代の同期生で、近所では勿論、県内でも有数の豪農の長女として有名だった。まさか、あいつがそんなことをするなんて・・・。


「マジっすか?」


「そうなのよ。そういやぁ、うちの近くにパトカーが通り掛かってねぇ。どっか交通事故でもあったのかと思ったら、これだもの。もう、おったまげたよ。ホントに。」


智博は作業をしつつも、おばさんの話に耳を傾けていた。そして、昼になって一息ついた時、何気なく開いたインターネットのニュースで、智博は事件の大まかな内容を目にすることになる。そしてそれは、驚愕の内容であった。


『相模市の山林で若い女性の遺体発見された事件で、神奈川県警は26歳のフリーターの男と、農業手伝いの24歳の女をそれぞれ逮捕した。』


その24歳の女こそ、正に、秋川さんとこの美咲ちゃんだったのだ!!


記事を読んだ智博の心に、ふと或る野望が芽生えた。


「よし!!これで、俺んちが地域一番のお茶屋になれっかも!!」


こうして、侵食の構図は、描き始められたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ