しょにち
「リーダー。戦況は思わしくないな」
ソフトモヒカンがトレードマークの小さな男、じょーじははおれの背後から話し続ける。
「赤チームと黄色チームの連合は、俺ら青チームを羽交い締めにする一時的なものだが。一枚岩だ。ちょっとづつ勢いがついてきてる。」
ここは緑色の芝生が広がる友達の敷地だ。
三つ葉上の大きなゴルフ場に、穴を掘ったり木製のパレットおいたりなんかして身を隠す場所を作りエアーガンやガスガンで撃ち合っている。現在所謂サバゲーと呼ばれるスポーツに参加中だ。参加者は300にん。100人分かれての三つ巴戦だ。
そこで俺は三つ葉の一枚にテントをはり、少数を率いて拠点に居座っていた。
缶コーラを一口あおるとじょーじはしかめ面をする。
「こんな滅多ない超絶大規模なサバゲやってんのに呑気だよなぁまったく。」
「100人バーサス200だぜ?あいつら俺らのこところすきだよまったく。」
これは殲滅戦と呼ばれる全滅するまで撃ち合うゲームでなく旗を取り合うフラッグ戦だ。
勝機ならいくらだってある。
「おいリーダー。防衛戦で30人がヒットを受けてる。40人が粘ってるが、100人100丁には敵わない。どうするんだよ。この勝率20パーセントの戦況を。」
おいおいと呆れたようにこめかみを指でつまむと気取った一言を添える。
「可能性全部が勝率だよ。考えはあるからあきらめんなよ。」
映画のセリフだ。創作じゃない、本当だ。