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挑発

 波倉未来は末村弾希と共に病院からの帰路についていた。会話はない。

 波倉は古式が見舞いに来たショックと、二人切りにしてきた不安で考え込んでいたし、末村は元来大切な事は語らず行動する人間である。

「波倉」

 だからこそ別れ際、末村の真剣味を帯びた声を聞いた時、波倉はそれこそ告白でもされるのかと一瞬戸惑った。

「古式に会ったか?」

「……うん」

 しかしそれはただの確認。いつもの覇気がない波倉の反応に、末村は拳を握る。

「俺が言うべきじゃないのだろうが、時が来たんだろう」

「……でも今更、言えないもん」

「じゃあ、ずっと言わないつもりか?」

「それは……」

 波倉は言葉に詰まった。

「言わないならそこまでの気持ちだったって事だろ、諦めろ」

 末村はわざと波倉を怒らせるような台詞を残して、背を向けた。

「不器用よね、アンタ」

 お互い様だ、と末村は片手を上げて応えた。そして、その手を握る。

 友に応える事が出来る手の平は、時に友と語らう拳となって奮われる。

 高月に対してどちらになるかは、今の末村には分からなかった。

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