孤独
これ以降、15禁にすべきか悩んでいます。必要ならお教え下さい。
小学校の頃、古式岸子は一人ぼっちだった。
いじめられていた。
机の上の筆記用具がなくなっていたり、置き傘が盗られていたり。起きた事としてはその程度で、しかしその程度というには古式が受けた精神的ダメージは大きすぎた。
まだ組織だったいじめではないし、男子五人ほどのグループからの嫌がらせに近かったが、本人達はいたずら程度にも気にしていなかったが、古式はいじめだと思った。
始まりが何だったのかは古式は覚えていない。彼女とグループのリーダー格の男の子との、些細な口論がきっかけだったような気がする。
小柄でおとなしく、無口だった古式は怖くて文句を言えなかったし、助けてくれる友達もいないと思っていた。
そんなある日、ついにそのグループが表立って古式にある嫌がらせをした。古式は自分が傷つけられた事よりも、悪意や敵意を正面から向けられた事が怖くて、泣いてしまった。
「何やってんだお前ら!!」
そう言って助けてくれたのは、同じクラスの高月ツミキだった。彼は五人相手に真っ向から殴りかかって行った。人を無意味に傷つけた、彼らが許せなかったのだろう。
しかし、いくら高月が背が高いとはいえ、五人に一人では歩が悪い以上に勝負にならなかった。
あっという間にもがく高月を三人で押さえ付け、残った二人のうち、リーダー格の男の子が高月に殴りかかる。
その時、
「っらぁっ!!」
もう一人乱入者が現れた。末村弾希である。少し前に喧嘩した二人だったが、末村は今回の喧嘩の事情も知らなかったが、高月がどういう理由で怒る男かを末村は知っていた。高月が怒ってんなら、悪いのは相手に違いない、と末村は信じる事が出来た。
だから問答無用で殴り倒し、高月と共々五人を蹴散らした。
ちなみにこの時波倉は、他の子が先生のところに行くのを密かに阻止していた。
「一度酷い目に遭わないと分からないのよ、ああいうやつらは」
そんな事を彼女はつぶやいていた。何気に彼女は二人が、というか、高月一人でも勝つと信じていたらしい。
余談ながら、四人のうち二人は喧嘩した事で少々、一人は先生へ事件の連絡を遅らせたとして多大に、怒られた。
ただ、その三人は結局一言も謝らなかった事を、彼らの名誉のため、ここに明記しておく。
とにもかくにも、このような経緯を経て、四人は友達となったのだ。