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1購入品目 カードゲーム

基本的には1話完結型で時々更新する予定です。

 ネット通販それは素晴らしい能力である。そんな力を手に入れた坊っちゃまが一番最初にしたことはなんと、カードゲームの購入である。


 「見て!マリア!一緒にこれで遊ぼう!ネット通販で買ったんだ!」


 子供らしい坊っちゃまに私は脱力した。

 坊っちゃまは某カードゲームを見せてくれた。


 「ねぇマリア、カードバトルしよう!」

 

 貧乏男爵家の起死回生となるネット通販スキルを利用した坊っちゃまの初の購入品がカードゲーム...

 この家はこのままお仕えして大丈夫なの?


 まだ坊っちゃまと同じ日本からの転生者と知られていないため、カードゲームが何か知らない振りをしないと。


 「カードバトルとはなんですか?」


 「このカードを使って攻撃したり、相手からの攻撃を受けたりするんだ。このカードのこれが体力で、これが攻撃力、体力が0になったら負けなんだ」


 嬉しそうに説明をしている坊っちゃまとカードを見て思わずこれは売れるかもしれないと思った。

 前世では人気カードが1万円以上したことがあり、転売が横行してニュースになったこともあった。


 「凄く綺麗な絵ですね。鑑賞用に売れるかもしれませんね」


 綺麗な絵は売れる。今世界にはイラスト的な絵はまだないのできっと高額で売れる。


 「う、売らないよ!」

 私の売れる発言に坊っちゃまはカードゲームを庇うように私から遠ざけた。


 「ですが、坊っちゃまはこちらのカードで遊びたいのですよね?お友達もカードを持っていないと一緒に遊ぶお仲間ができませんよ?そのためには売るべきだと思いますが」


 先程の説明だと坊っちゃまぐらいの年頃の子供の算数の勉強にもなるから、その点を強調して売るのもありだと思った。

 坊っちゃまはきっと一緒に遊ぶお友達が欲しいはずだからきっと、このように言えば売ることに前向きになってくださるはず。


 「そうだね!カードゲーム仲間を増やさないといけないから、僕のカードを貸すんじゃなくて売らないといけないよね。やっぱり自分のお気に入りのカードでバトルしたいもん」


 納得した坊っちゃまはカードゲームの販売に乗り気になったみたいだ。


 「坊っちゃま、とりあえずもう少し詳しく遊び方を教えてください。実演をしないとお友達におすすめできないですから」


 「うん!教えてあげるね」


 その夜旦那様に坊っちゃまがネット通販で取り寄せたカードゲームを報告した。


 「この絵は売れるな」


 旦那様もこのカードを売ることに賛同した。


 「ですが坊っちゃまは絵として売る気はないようです。しかし、カードゲームを広め、カードゲーム仲間を作るためなら、ネット通販で追加購入をしてくださるとようです」

 「これはいくらで購入できるんだ?」

 「1パック5枚入りで大銀貨1枚だそうです。カードはランダムだそうで、何が入っているかわからないため、同じ絵が一緒に出てくることもあるそうです」


 坊っちゃま曰く、カードを指定して1枚ずつ買うのはできないため、1パックで買うため同じカードがどうしても出るし、そもそも同じカードが複数枚ないとゲームとしては成立しないらしい。


 「うむ。それだと売りずらいではないか!」

 「ただ、ゲームとして遊ぶには同じカードが複数枚必要なので、実演しながら売ればよろしいのではないでしょうか?」

 「では、寄親に献上してみるか」


 旦那様は、美麗な絵として数量限定で高額で売り出すか、カードゲームとして薄利多売をするか悩み、とりあえず寄親である辺境伯に相談がてら献上することにしたようだ。


 流行は上級貴族から下級貴族に流すのが一番良いから、上級貴族である寄親に献上していずれにしろ広めてもらうことにしたようだ。


 美麗な絵なので、流行すると今までの美術の歴史が大きく変わり、画家が大変なことになりそうですが、まあ生活環境には大きな影響はないと思います。


 寄親に相談した結果、辺境伯のお子様方が気に入り、カードゲームとして1パック大銀貨4枚で売り出すことにしたため、今年の冬は暖かく過ごせそうだ。


 旦那様と一緒に実演しに行った坊っちゃまは、カードゲーム仲間ができて嬉しそうだった。


お読みいただきありがとうございます。

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