表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/104

関わらずには、いられない邪神のため息。

ため息が出る。

「全く、面倒臭い」

邪神のため息が止まらない。

「だいたい・・・一度は、捨てた故郷に戻る奴の気がしれない」

「故郷は、故郷だろう?」

晴は、反論する。

「颯太は、親がいなかったんだ。育ててくれた山寺が、故郷であり、親なんだ。心配して、来るのが当たり前だろう」

「捨てたんだろう?今の生活があるのに、振り返る事はない」

「だいたい・・・・問題は、人間の姿に戻れなくなった事だろう」

晴は、イライラして言い返す。

同じ身体を共有しているのに、全く意見が合わない。

「もう!いい加減にして」

一人で、言い合う晴と邪神に、最も、イラついたのは、音羽だった。

「無理して、ついて来る事なかった」

「別に、今から、帰ってもいいんだが」

今度は、音羽に絡みつく邪神。

「あの・・・帰りますから、この金鎖外してもらえませんかね」

邪神は、音羽に付けられた金鎖を引っ張りながら、言った。

「全く、何で、俺が・・・」

「す・・・すみません」

音羽と邪神のやり取りを後ろで、聞いていた颯太が声を上げた。

「まさか、俺。こんな事になるとは・・」

何とか、人の形を保っているが、まだ、不安定で、長い尻尾が幾つも、飛び出ていた。

「あ・・・嫌・・」

邪神は、車のハンドルを握りながら、どう答えたら、いいのか、詰まっていた。

「そう・・・素直に言われると、俺としても、困る訳で」

「いいから、ちゃんと、ハンドル握れ。後ろ向くな」

顔半分の腫が、言う。

バスを乗り継いて、山を越える訳だったが、颯太の姿が、人の目に晒されるのは、危険との事で、どこからか、邪神が、車を調達してきた。

「たまには、役に立つのね」

「ばか言え。お前の口に入りたくないだけだ」

「ふん」

「さっきから、変な気配がしないか?」

山寺の跡地、近くなると、木々の焦げた匂いのほかに、生臭い匂いが漂っていた。

胸をつく、嫌な匂い。

「邪神は、臭わないのか?」

晴は、邪神の鼻を引っ張る。

「全く、いい臭いでは、ないか」

「やっぱり・・・お前は、おかしい。音羽。どうだ?」

「臭い?・・・というより、これは気配では?」

車の前に、突然、飛び込んできた姿があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ