善と悪の山寺へ。
山寺を中心とした郷。
そこを、見下ろしているのは、颯太達一行だけでは、なかった。
一ノ瀬 斎王
率いる5人が、火事で焼け落ちた山寺を見下ろしていた。
そこは、反対側の切り立った山。
「全て、計画通りでしょうか」
側に立つ髪の長い女性が声を掛ける。
楡咲 佐和子
「何も、残さなかっただろうな」
「えぇ・・・うまく、消え去ってもらいました」
「跡形もなく?」
「全て、消したはずです」
「筈では、困る」
「何も、残っていない」
顔色の悪そうな背の高い男が、答える。
笹垣 宗和
「奴ら、結構しぶとかった」
「こんな山寺が、あちこちにあるとしたら・・」
「大変な事になるな」
一ノ瀬は、答える。
寺の者達は、最後まで、抵抗したが、最後は、自害する形で、消え去っていった。
表向きは、村に、よくある古い寺だった。田畑けに囲まれた、村の中央にやる一段と高い山の頂に寺は、あり、切り立った崖の上に、どうやって、建てたのだろうと思うほど、不自然なバランスで建っていた。
寺には、育てられずに、預けられた子供達もいたが、一ノ瀬達は、非常にも、子供達を含め、捕まえたり、消滅させたりしていた。
「ここは、除霊師を育てる・・・って、事になっていたんだな」
「まさかですよ。育てるどころか、巣窟になっていたなんて」
「全て、滅っせとの話だったか」
「寺の底では、妖を育てていたようです。蠱毒を使って」
「蠱毒か・・・。趣味の悪い」
寒気がすると言って、笹垣は、身震いした。
「この寺から、巣立っていた奴も、探し出しますか?」
「いや・・・いい」
一ノ瀬は、笑った。
「奴ら、きっと、集まってくる。その時に、まとめて、倒した方が良さそうだ」
「来ますかね」
「来ているわよ」
篠木 舞は、指さすが、他の者には、何も見えない。
「この寺で、育った奴らが、来てるわ」
「そうか・・・根絶やしにしないといけない」
「人が、こんな事をするなんてな」
一ノ瀬は、ため息をついた。
「除霊師と言いながら、全く、別の者を育てているなんて」
「必ず、やり遂げなくては、なりません」
一番、後ろで、様子を見ていた少女が声を上げた。
五蔵 美冬
「元に戻すのが、私達の仕事なんですから」
「寺に救っていた妖を、全て、消滅させる」
「もちろん、逃げ出した奴らも」
焼け落ちた山寺の、鐘が鈍い音を立てていた。




