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決心と過去

颯太の一件を解決する為にも、山寺に行く必要が出てきた。

「面白い事が起きそうだな」

邪神は、楽しくて仕方がない。

「つまらない人間の世界だ。わしより、怪しい人間がいるのは、興味が湧く」

邪神は、横目で、颯太を見る。

「まぁ・・人間と呼んでいいのか、わからないがな」

「そう、言われるのは、腹が立つが」

この時、颯太は、意識を取り戻していた。

ほんの少し前、姿は、人と離れていたが、意識を取り戻した颯太は、混乱していた。

「音羽!」

自分の姿を知った、颯太は、音羽を召喚した。

「何なんだよ・・これは」

自分のシルエットが、人ではなかった。

「何が起きたと言うんだ?封雲か?」

先程まで、居た封雲は、どこに行ったと言うのだ。

右腕には、数珠がない。

師匠から、譲り受けた数珠を、羨んでいたのは、封雲しかいない。

「音羽。まさか・・・封雲なのか」

記憶の中では、山寺が襲われ、そこに向かう筈だった。

ダム湖の底から、現れた龍神と音羽の姉を名乗った砂羽に、襲われたのだ。

「封雲ではないと、言えない」

「それは、封雲と言うのか」

「事実を伝えるとしたら、数珠を破壊したのは、封雲だ」

音羽は、不思議な気持ちだった。

目の前にいるのは、元は、颯太だった。

長い尻尾を幾つも持つ、狐の化け物にしか見えない。

「封雲が破壊した」

それによって、自分は、人の形を失ったのか。

どちらなのか。

失ったのか、化けてしまったのか。

自分は、人ではないのか。

「音羽。教えてくれ」

記憶の中に、砂羽の言葉が響いていた。

「お前のせいで、音羽が、迷っている」

・・・・と。

自分のせいで、音羽が、こんな姿になった。と言っているのか。

自分に、音羽の記憶はない。

そもそも、どうして、自分がこんな姿になったのか、わからない。

幼い日。

確かに、自分は、人間の幼子だった。

封雲と出会った。

その前は・・・・。

父との二人暮らし。

母を亡くして、山寺に連れて行かれた。

「僕は・・・」

人間のはずだった。

その言葉を知ったのか、音羽が、颯太の肩に手を置いた。

「お前は、関係ないよ」

「そう言えるか?」

晴の顔を持つ、邪神が笑った。

「記憶なんて、あてには、ならんて」

邪神の顔が、笑みを浮かべていた。

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