表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/104

好敵手

封雲。

颯太が失くした数珠を探し求めていた。

「決して、お前の為ではない」

颯太の能力を押さえていた数珠。

師匠達は、自分より、颯太を可愛がり、その証として、数珠を渡したと思い込んでいた。

「そうで、なかったのか」

数珠は、颯太を人間として、押さえていた物。

霊を祓う能力では、なかった。

霊を自分の能力で、散らしていただけだ。

何故なら、彼の方が脅威であったから。

「これが、全部、集まれば・・・」

いつか、颯太の命を奪うことになるだろう。

四方に散らばった数珠を集める封雲。

颯太と同じく山寺へと向かう。

故郷の危機は、無視できなかった。

何があって、故郷が、焼け落ちたのか。

知る必要がある。


「これは一体・・・」

邪神は、鏡に映った自分の姿に目を白黒していた。

「自分で、選んだんだろう」

顔の半分の晴が言う。

「かと言って、儂は、こんな姿は、好まない。」

邪神は、ご立腹だ。

自分は、お洒落である。

今までも、これからも。

黒いタキシードに、艶やかな紫の蝶ネクタイで、決めていたい。

もちろん、髪も、オイルで、綺麗に。

まるで、明治時代の貴公子のように。

だが、晴ったら、お洒落は、全く興味ない。

ヨレヨレのコートに、体にあっていない、パンツをダボっと履いていた。

「耐えられん!」

邪神は、怒って着替えようとするが、晴が止めた。

「山奥に行くのに、そんな格好で、どうする?」

「変な格好で、動き回るのは、儂のプライドが、許さない!」

側から、みると結構な一人喧嘩である。

「いい加減にしろよ」

呆れた声を上げたのは、意識を取り戻した颯太だった。

「颯太。大丈夫か?」

音羽は、颯太の様子を見下ろした。

宙から、ぶら下がった姿は、いまだに、慣れない。

「大丈夫って・・」

颯太は、ため息をついた。

意識は、取り戻した。

が、姿は。

元が人間とは、思えない幾つもの尾を持つ、目つきの鋭い獣の姿だった。

「間違いなく、颯太なんだよな」

晴は、颯太と呼ばれる獣に声をかけた。

「多分・・・」

自信なく、答えた。

自分の魂が、獣に閉じ込められている。

そんな悲しい気分だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ