蔵の中に潜む者
邪神。
そう呼ばれて何年?いや、何百年になる?
気付いたらその場所は、暗闇や砂漠の中にあった。
じめっとした空気だったり、
乾いた空気だったり。
記憶は、バラバラに飛ぶ。
「契約だからな」
目の前の婆さんを見た時に、口から自然に言葉が出た。
「ご先祖の様の言いつけを守る為だ」
「自分達の罪を隠す為に、代々、可愛い息子を差し出しとは、不遇な生き物だな」
「おかげで、代々、家は栄えた」
「お前の息子は、早く死んだがな。まぁ・・・国の外に出たら、儂が、守りに行く事は、不可能じゃが」
「まぁ、良い。約束を果たせ」
「ふむ・・・」
邪神は、半分は、晴の顔を持つ。その目で、颯太の顔を何度も、見つめていた。
「何とも、変な拾い物をした・・」
「やはりな」
婆さんは、顎を撫で付けた。
「人間?なのか?」
颯太と邪神の顔を交互に見た。
邪神の方が、人間離れした顔をしているが、この場合、颯太の方が、人間離れした様相であった。
「人ではない・・・それしかわからん」
邪神は、こぼした。
音羽の霊力を持って、一時的に邪神は、鎮められ、金鎖で、鎮められた。自分をも、抑えられる人間など、居る筈がないのだ。
「こんな恐ろしい生き物を放置していたのか?」
邪神は、婆さんに聞くが、何も、答えない。
「作り出した者なのか?」
「誰が、どうやて?」
颯太は、人の形をした生き物で、それは、誰かが、作り出した。山寺で、育ち、力を封印する為、数珠で拘束されていた。それを、音羽の因縁の相手を思った砂羽が、攻撃した事になる。
「全く・・・人間て奴は」
邪神は、ため息をついた。
「ここにいる間、全く、いろんな事が多くあった「
戦争や地震、多くの天災や地震があった。
「契約がなかったら、帰るのにな」
「砂漠は、つまらないだろう」
「鬼女達が、癒してくれる」
「つまらん女より、人間の方が楽しいぞ」
婆さんは、笑う。
「この少年の謎を解きたくないか?除霊師に恨みは、ないのか?」
邪神は、黙った。
悪霊と勘違いされ、追い回された事がある。
「ふん・・・人間の顔を剥がすのも、面白いか」
「待て待て!」
突然、邪神の顔の半分が、話しかけてきた。
「面白いじゃない!僕の生徒です。生徒を助けるのが、僕の仕事です」
晴が発言できるのが、意外だった。
「あれ?意識をとり戻せるんだ?」
婆さんは、意外な顔で見る。
「ばあさん!何て事を、孫なのに!」
「ふふふ・・・お勤めじゃよ」
「なんて・・・事を?」
「家業家業。我々は、こうやって、家を守ってきたのじゃ。覚悟しろ」
「・・・て、僕の人生」
「世代変わりするまで、待つのだな」
「ばあさ・・ん」
2人のやり取りを聞いていた瞬間、宙が開いて音羽が顔を出した。
「時間がない」
聞きせまる顔に、3人(4人)は、顔を見合わせた。




