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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

暗がりの噂話

作者: 諏訪未来

夏のホラー2020 出品作品




電灯はまだ夕方の暗がりを照らさず、二人の女子高生はその暗がりの中に立っていた。その不気味な夜の始まりに話が始まった。


「順子さぁ、ちょっと怖い話してあげようか?」


「え?やだよ、もう薄暗いし…」


「これはね、ある先輩から聞いた話なんだけど…」


「いやだって言っているのに、話を始めるの?」


「うん。まぁいいじゃない。まだちょっと時間あるし…。その先輩の話によるとね、うちの学校の生徒がイジメを苦にある駅で飛び込み自殺して、その子の幽霊がその駅に現れるんだって。


で、その子はイジメた子達を今でも探していて、うちの生徒がいると電車が入ってくる線路に突き落とすんだって。その子が死んでから今までに4人も死んでいて、今までに助かった子は一人しかいないんだって。助かった子は線路のホームに突き落とされて、たまたまプラットホームの下に転がり落ちたから助かったんだけど、それ以来恐怖で、学校にこれなくなっちゃったんだって。怖いよね・・・


その子の話では、電車が来ると思って顔をあげたら、向かい側のホームに女の子が俯いて立っていて、同じ制服だなと思ってその子をぼんやりとみていたら、その子と目があって、そしたら、その子は不気味に笑ったんだって。そして、その子は突然消えたんだけど、気が付いたら自分の後ろに気配を感じて、「死んで!!」って声と共に、後ろから線路内に突き落とされたんだって。」


「怖いよ。礼子、なんでそんな話をいきなりするのよ。」


「その話にはまだ続きがあってね、この話を聞いた人は死んだ子の恨みを軽減させるために、この話を他の人にする必要があって、しないと次のターゲットになっちゃうんだって。しかも、ちゃんとそれをその子に証明する為に夕方の18時に、その駅のホームでしなきゃいけないんだって。」


時計の針は18時12分を指している。


「やめてよ、まさか、()()がその駅なんて言わないでしょうね。」


「ごめんね、ここがその駅なの。」


「なんで、私にするのよ。酷いじゃない!!そしたら、私が死んでしまうかもしれないじゃない!!」


順子は思わず礼子の胸を突き飛ばした。それは決して強いものではなかったが、礼子が持っていた傘が脚に絡まる。


礼子はバランスを崩しそのまま線路内へ転落する。


「なんで私が…??」


礼子の耳元で「死んで!!」という声がする、それと同時に電車がやってきた。


そして、礼子はそのまま電車の下敷きになる。


順子はその光景を目の当たりにして息をのむ。そのまま固まった状態で、ふと電車の中を通して向かい側のホームをみると、同じ制服を着た少女が立っていて、不気味に笑っていた…



王道のホラーかと思うのですが…背筋がゾッとしてくれたなら幸いです。

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― 新着の感想 ―
[一言] ∀・)なるほど、たしかに王道。会話文の妙を創られるのが巧い作者様だなと感じました。
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