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おもてなしスープレックス  作者: わび わさび
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平野直の日常

 平野は最近酒量が増えていた。


 独身のまま年をとり、一人でいる事が多く、タイトルマッチになかなか挑戦できない自分の人生が何も動かないジレンマ、迫りくる年齢、そしてそれは誰の精にもできない、やるせなかった。


 自然とお酒で紛らわせる事が多くなっていた。


 もちろん、若井などとの練習もしているが時間を見ては近くの馴染みの居酒屋へ呑みに行っていた。

 そして酔っぱらって帰っては、大好きな「キツイ」を聞きながらリングに入場する事を妄想していた。


 その結果、前から恰好の良い体系ではなかったがお腹の出っ張りがより目立つようになった。


 平野の馴染みの居酒屋は焼き鳥屋、一人でトレーニング帰りに行くことが多い。


 一通りマスターに愚痴を吐いて寝る。

 居酒屋に行かないときは、帰って1人でお酒を飲みながら一人飯を食らう。

 その際はひとりTVに愚痴を吐いていた。


 「社長は自分をどれだけ偉いと思っているだ?」


 「父親の恩があるから、付き合ってやっているが・・・」


 「自分にカリスマ性があって無茶やっても人が付いてくるとでもおもっているのか?」


 「自称カリスマじゃねーか」

 「ミスターカスリマのマスクはお前がかぶれ!」


 そんな言葉を良く出していた。

 年をとった事もあり、同じ話を繰り返してもいた。


 「タイトルマッチやらせろ!」


 今日もどっぷり酒に呑まれていた。

 猛田の言う通り、社長に面と向かって言えばいいのかもしれないが首になったらそれはそれでこまるので、ストレスをため込むばかりだった。


 偶に会う両親はそんな48歳独身の平野を少し心配をしていた。


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