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25歳の12月

私は焦っていた。先月申し込んだホテル主催の婚活パーティー以降、課異動を命じられたこともあるが、53歳の既婚3人の子持ちZ氏から「君の事が好きだ。」と言われたのもある。


「私が仕事できなさ過ぎて、他の先輩社員からイビラレているから、娘さんのように父性みたいなものが発動しているんですよ。」


そう簡易に返して、その場の雰囲気を切り替えた。

仕事上軽く便宜を図ってもらうことはあっても、プライベートはメールアドレスも交換していない仲なので不思議な感じはしたが、課も変わるので気にしないことにした。

むしろ気になっているのは、今私が異動し、私の一つ上の先輩が辞めることにより、3つ年下の中途で入ってきたよく嘘をつく後輩だった。

私達がいなくなる事により、同じ男でもあるせいからか7歳年上の先輩社員達から集中的にマトになる可能性があるからだ。

ただ根は悪くないZ氏と仕事を主に行うはずなので、懸命に仕事をすれば私と一つ上の先輩社員の時のように多少のカバーをしては貰えるはずだ。

私は新しい仕事を覚えることと、婚活に向き合うことに徹することにした。



初めての婚活パーティーは京都駅近のホテルのレストランで、軽いフレンチを食べながら行われた。

軽く仮面を被ったりもし、女性は五千円、男性は六千円程で行われたパーティーだ。

私は一人で来ていたが、女性は私のように一人で来ている女性や友達同士できている女性が結構いた。

一方で男性は飲食店関連のイベントでもあったためかお店の経営者繋がりで来ている人が多数で、普段話さないようなタイプの人達ばかりに圧倒された。私は婚活パーティーに来ているにもかかわらず、人見知りモードにスイッチが入った。


途中、30分遅れで来た女性がいた。しかし彼女は自己紹介で臆することなく、病院帰りであること、遅刻しても楽しみにしていたので来たことを笑顔で話していた。


グループごとに分かれて、男性達がローテーションでグループで異動し、好きな席に座る形で、自己紹介を次々としていった。私は遅刻してきた女性と同じグループの席に座っていたが、会話の中心は彼女だった。私はなかなか自分の方から話すことができず、相槌をすることだけで精一杯となった。

一通り異動が終わった後、良いなと思う人の番号を書くようにと言われ、スタッフから紙を受け取った。

正直、誰が誰だかいまいち分かりづらい部分もあったが2番目までの人を記載してスタッフに渡したが、カップリングならず。

パーティーが終わり、何人かの男性が遅刻してきた女性に話しかけメールアドレスをきいていた。

私は声をかけられるものなのか、すぐにでて良いもの分からず少しの間待っていたが、

どうやら不要なようなので帰ることにした。



今回、出会いは得られなかったが、軽食フレンチは楽しめた。またいくつか学んだこともある。

しかし私は婚活パーティーに行ったら直ぐに良い人に出会えて、軽くマッチングをして、数ヶ月後には結婚ができると思っていたが意外と長い道のりになりそうだと感じた。

また次の婚活を始めるにも何をしたらいのか分からなかった。教科書や参考書などない。就活とは違い終わりが見えないから困ったものだ。

学生時代は帰宅部のようなもので、大学時代は1年留学していた私は人脈がほとんどない。

ただ、身元が全く分からない物は怖いと漠然と考えていた。

出会い系サイトで女子高生が怖い思いをしたという話を思い出した。また、同期でネズミ講にはまっている子もいた。これから先、今まで以上に色々な人に出会う、もし何か事件があった際身元が確実に分かるなら多少歯止めがかかるはず。


とりあえず、立ち止まらずに数少ない友人Aにメールを送ってみることにした。

「前回お願いした紹介の件、お手数をお掛けしますがお願い致します。」


数分してからAから返信がきた。


Aの友人とは来年2月に会うことになった。



学習メモ

1.一度の失敗で諦めるな。

2.次回からメモができるように筆記用具持参する。

3.パーティー時は話した人の番号、年齢、仕事内容、4.容姿を簡易に書くようにする。

5.必要な時は笑顔で話せるようにする。

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