女子部屋は
「閻魔庁で働く女の子が増えて嬉しいな、月ちゃん仲良くしよ~ね」
「こちらこそ、よろしくね。 そういえば、閻魔庁で働く女性って少ないの?」
閻魔殿の廊下を歩きながら、にこにこ笑って右手を出してくれた小鬼ちゃんの手を握ってそう聞くと、
「少ないよ~、今は私と死神3課の焔鬼ちゃんの2人だけだもん。おかげで私達は仮眠室じゃ無くてバス、トイレ、簡易キッチン付の個室をもらえたんだけどね。はい到着、ここが月ちゃんの部屋ね、隣は私の部屋だから」
なんて答えが……女性職員って私含めて3人だけ? 少なすぎよね、何か理由があるの?
そんな事を考えてる間に、鍵を開けて先に部屋に入った小鬼ちゃんが私を呼んでる。
「月ちゃ~ん、早く入っておいで~。中の説明するから」
案内された部屋は、可愛い花柄のコタツ布団がかけられた堀コタツのある6畳の和室と、大きなウォークインクローゼット付のベッドルーム、冷蔵庫やオーブンレンジまで揃ったキッチンまでありました。
「ねえ、ベッドとコタツはまだしも、何で冷蔵庫や洗濯機まで揃ってるよ、家賃とかどうなってるの? ここ、本当に私が使って良いの?」
脱衣所付のユニットバスとウォシュレット付のトイレを見て、思わずそう問い詰めた私に、乾いた笑いを浮かべた小鬼ちゃんは、
「あははは~、ここは社員寮扱いだから家賃要らないよ。この部屋の備品は不正経理してた前の経理担当が、癒着業者から経費で仕入れて倉庫に隠してた物だから。使わないと勿体ないでしょ、男子の仮眠室にも冷蔵庫やレンジはあるらしいよ」
不正経理、そういえばそんな事言ってましたね小野さんが……ただ家賃無しでこの部屋は、豪華過ぎると思うんですが。
「あとね、護衛課の私も死神課の焔鬼ちゃんも変則的24時間交代勤務なのよ。生活時間ばらばらだし、女の子は色々あるじゃない、ちょっと位優遇されても良いじゃない」
小鬼ちゃんがそう言った時、コンコンコンっとドアをノックする音と、女性の声が聞こえた。
「こんばんは~、死神3課の焔鬼だけど新しい女の子入ったんだって? 挨拶に来たよ」
ドアを開けると、黒いパンツスーツ姿で口元のほくろがセクシーな女性が、一升瓶を持って立ってました。
「はじめまして、明日から総務で働く事になりました高木月子です。よろしくお願いします」
「8課のバカボンの被害者だって? 同じ死神課の人間として申し訳ないとしか言えないんだけど、これからよろしくね」
「あーっ、焔鬼さん良いもの持ってる~! ちょうど良いからこれから月ちゃんの歓迎会しよーよ。仕事始まる前に色々話しておかないとまずい事もあるしさ」
ドアを開けて挨拶していたら、後ろからひょっこり顔を出した小鬼ちゃんの言葉に、このままなし崩し的に私の部屋で女子会をする事になりました。
すいません、春まで投稿お休みします。
今年は年始からインフルエンザに、内視鏡検査中に腸に穴を開けられた祖母の緊急手術及び入院、繁忙期と色々かさなり執筆が厳しい状態に……
繁忙期が終わったらまた投稿するので、よろしくお願いします。




