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閻魔庁総務課の月子さん  作者: 泪
プロローグ
6/7

獄卒達の生活は

 一通り仕事の説明を受けた後、本来は閻魔様の護衛がお仕事だという小鬼ちゃんと獄卒街にお買い物に来ています。

 ちなみにお金は人違いで殺された事の賠償金を、かなりまとまった額頂いたので、その一部を持ってきました。

 私の隣を歩く小鬼ちゃんは、150㎝位の身長で、おかっぱヘアからちょこんとのぞく2つの角が可愛い、女子中学生位の見た目です。

 そんな見た目に反してその強さは、子供の頃から閻魔庁に勤める獄卒達と比べても群を抜いていた為、お兄さんの大鬼さんと中鬼さんと一緒に閻魔様の護衛を勤める事になった、ピチピチの160歳だそうです。

 小野さんから、私の体は現世の100年で1歳年をとると聞いていたのですが、それはこの体が特別だからだそうで、地獄生まれの獄卒は現世の10年で1歳年をとり、150歳で成人だと小鬼ちゃんに教えてもらいました。

 ちなみに、魂管理課は課長の小野さん含めメンバー4人全員、私と同じ体を先々代閻魔様にもらった元人間だそうです。


「制服は支給されるって聞いたから、とりあえず必要なのは普段着と日用品色々かな、小鬼ちゃんお薦めのお店を教えてくれる?」

 これから必要そうな物を告げて、何処のお店が良いのか相談すると、

「後は食料品もね、閻魔庁には24時間開いてる職員食堂があるけど、お酒とお菓子は置いてないの。確か、GーONの中にゴククロが入ってたから、あそこ行けば全部揃うかな」

 との答えが返ってきましたが……ところでこの獄卒街は、閻魔庁や八大地獄で働く獄卒達の生活する町ですが、ほとんど私の暮らしていた地方都市と同じような店が揃ってます。

 しかも、小鬼ちゃんに案内されたお店はイ〇ンそっくりで、ゴククロってユニ〇ロ?

 品揃えも、なんだか見覚えのあるものが……

「小鬼ちゃん、ここって……」

「まあ、地獄も近代化が進んでね。現世の生活を参考にっていうかね、ほら死神課の連中なんか毎日のように現世に行くじゃないあっちの生活見ちゃうとね……という事で、月ちゃんが現世で使ってたような物は、大抵揃うと思うよ」

 うん、前と変わらない様な生活が出来るならそれに超したことは無いよね……深く考えたらダメ。


「それにしても、月ちゃんってば災難だったね~。今までにも間違ったとか、手元が狂って別人の魂狩っちゃった死神はいたけどさ、普通はその場で気が付いて生き返らせてたからね。月ちゃんが別の部屋に行ってから、閻魔様大激怒だったんだよ」

 買い込んだ大量の荷物を半分持ってくれた小鬼ちゃんはあの時、護衛の仕事中で部屋の直ぐ外の廊下に居たらしく、

「新人死神はクビ! 課長は、左遷~って! ただ、あの課長と新人死神は親子でさ、コネで強引に息子を死神課に入れた挙げ句、部下の手柄は取り上げる、自分達のミスは擦り付ける、他にも色々あって元々処分対象だったのよ」

 なんて説明してくれた、何処の世界にも困った人達って居るのねえ。

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