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閻魔庁総務課の月子さん  作者: 泪
プロローグ
5/7

お仕事内容の説明

「それじゃぁ、お仕事のお話をしようかぁ。月ちゃんには、総務のお仕事をお願いしたいんだよねぇ、備品の管理とか獄卒達の福利厚生の手続きとか、お給料の計算とかねぇ」

「50年ほど前までその仕事をしていた経理担当者を、横領と不正経理が発覚してクビにしたら、その後仕事が何故か魂管理課の僕に回ってきましてね。毎日残業続きで閻魔殿に泊まりこみ、なんて状況でして」

 小野さんの言葉にうわぁっと顔を歪めてしまう、横領に不正経理って、生前勤めてた会社でも3年前に経理の里中課長がやらかしてくれたのよね。

 それに気付いて内部告発しようとしてた子を、経理課全員でがうつ病になるまでイジメたらしいし。

 おかげで経理課の信用がた落ちになって、総務が後処理担当に成らざるを得なくて大変だったのよ。

「安心して下さい、不正経理の後始末は終わってます。月子さんは、簿記の資格もお持ちですし、給与計算の仕方も現世とほとんど変わりません、もちろんパソコン管理してますから以前の仕事とそう変わりませんよ」

 あの時のアレをもう一度やるのか、と思っていたら小野さんの言葉に安心する。

「はい、それなら多分大丈夫だと思います。分からない事は、小野さんに伺ってもよろしいですか?」

「勿論です。これで自分の仕事に専念できる」

「良かったぁ、じゃあよろしくねぇ」


 閻魔様が退室された後で、小野さんから追加で説明された事によると、閻魔様は20,000~30,000年で代替わりをし、閻魔様が亡くなられると新しい閻魔様が「浄玻璃の鏡」という、亡者を裁く際に使われる鏡の中から出てくるらしい。

 ただ、先代閻魔様がとある理由で、代替わりから100年という異例の若さで亡くなり、本来なら大人の体で生まれてくるはずの当代閻魔様が、あの様な幼い状態で生まれてしまったと……

 そのため、本来亡者を裁く事は閻魔様にしか出来ない仕事なのですが、そんな幼い閻魔様に24時間365日絶え間なく閻魔殿に来る亡者を裁くのは無茶だと、八大地獄の管理者及び他天の神々との会議が開かれたそうです。

 そこで閻魔様がお休みになられている間、魂管理課の皆さんが魂管理台帳を吟味して亡者の仮裁きをする事になったのだとか。

 勿論、仮裁きで不正があってはいけないので、亡者を各地獄または天国に送る前に、閻魔様の最終チェックを受けるそうですが、今まで重大な間違いは起こってないそうです。

 当代閻魔様はまだ500歳、人間年齢に換算すると5歳位、健やかな成長の為には食事や睡眠が不可欠、出来ることならおやつとお昼寝の時間もとってあげたいとは、閻魔庁で働く全員の願いだそうです。


 先代閻魔様が亡くなった、とある理由ってのが気になるなぁ。


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