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閻魔庁総務課の月子さん  作者: 泪
プロローグ
4/7

新しい体は予想外

 ひょんな事から地獄の閻魔庁で働く事になった私、高木月子ですが……今現在、絶賛困惑中です。

「小野さん? 確かに新しい体を頂けるって事でしたけど、コレちょっと若すぎません?」

「大丈夫、大丈夫。この体はね、魂のあり様に合わせて姿を作るんですよ。高木さんの魂はピチピチの若い魂でしたから、そんな可愛い姿になったんですよ」


 小野さんに案内された部屋の中には、顔の無いマネキンが何体か並んでいて、その内の一体の前に立った途端、私はマネキンの中に吸い込まれ新しい体を得ました。

 体自体は何処にも違和感なく、自分の思い通りに動かせそうなのですが、鏡に写った私の姿はどう見ても10代の女子高生に見えます。

 元の体と同じ容姿のものを用意してくれると思い込んでいた私は、密かに気にしていたシミや皺、体のたるみが無くなったどころか、自分の10代の頃より美少女なこの体に困惑を隠せません。

「いや~、高木さんの魂ってあんまり汚れていなかったから、美少女になるとは思ってましたが、予想以上でしたね」

 小野さんはニコニコ笑ってそんな事言ってますが……そりゃね、アラフォーのオバサンとしては若返ったのは嬉しいですよ。

 でも、こんな艶々ロングの黒髪に大きな瞳にばっさばさの長い睫毛とスタイル抜群の、何処のアイドル様ですか? って美少女になっちゃったら、どうしたら良いのか分からないんですよー。


「小野さぁん、高木さんの体どうなりましたぁ? わっ、やっぱり可愛くなりましたねぇ。う~ん、高木さんってい言うより、今の見た目だと月ちゃんの方が似合うかなぁ」

「月ちゃんですか、良いですね。そうだ、私もこれから月子さんと呼ばせていただきますね」

 いつの間にか部屋の中に入って来ていた閻魔様と小野さんに、ニコニコ笑顔でそう言われてしまったら、せっかく用意してくれた体が美少女過ぎるなんて我が儘を言える訳も無く、俯いて小さくお礼を言うことしか出来なかった。


「新しい体をありがとうございます、閻魔様」

「うんうん、月ちゃんこれからよろしくねぇ。月ちゃん若いんだから、もっと砕けた話し方でも良いのにぃ」

 なんて言われても、体は若くても中身はアラフォーのオバサンなんですが、

「その辺りは追々ですよ閻魔様、その内精神も体に引っ張られて若くなりますから。だいたい、現世の100年はその体にとっての1年位の感覚ですから、それを考えたら42歳なんて赤ちゃんと一緒です、直ぐに慣れますよ私のように」

「え~っ、小野さんは、生きてる時から地獄に出入りしてたじゃない、それと一緒にしたら月ちゃんが可哀想だよぅ」

 小野さん? 閻魔様? どこから突っ込んだら良いのか分かりませんが、もしかして私の新しい体ってそんなに長生きするんですか?

 それに生きてる時から地獄に出入りってまさか、小野さんって小野篁じゃ無いですよね~!

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