表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀剣のエルメテウス  作者: UNAGIRAS
星海のペスカトーレ編
2/4

星海のペスカトーレ(2)

おれは悲しくなった。投稿する予定だった大体4話分のメモが全部消えていたからだ。(おまえのヒューマンエラーだろうというツッコミは容認できない)


そして憤った。自分の無力さに。だから俺は(以下省略。本編をどうぞ)

-------

-------------

------------------------


CRAAAAASH!!!!!!


「クリティカルヒットォ!!!」


銀白の宇宙漁船から射出されたドリル・スパイクアンカーが宇宙クロマグロの横っ腹に突き刺さる!!


ソーラーダマスカス鋼製のドリルは宇宙クロマグロのリフレクトシールドを抉り、突き破りッ!高速回転ッッ!!!肉を貫き、内臓エリアへと突き進む!


*ここでお好きなゴア表現SEをお楽しみください*


「しかし宇宙クロマグロはこの程度でダメージを受けるほどヤワじゃねえ。どうするんだァ船長?」


そう言ったのは眼帯と無精髭が印象的な初老の大男。深刻そうな口調だがその表情は始めて宇宙脱法ドラッグをキメた10代のガキのように...要するにキマッていた。


問いを投げかけられたのは舵を握り、暗い煌びやかな銀色の髪を棚引かせる

(--無重力かつ無風の環境だが、この事についてあなたが気にしたり考察したりする必要はない--)

---平坦な胸の少女であった。


「あァァ!?決まってんだろ!イポン釣りだ!イポン釣りするんだよォ!!」


「「「イエス、マム!!」」」


宇宙クロマグロを追って高速回転航行を行う宇宙漁船の船内は常に強烈なGが掛かっている。

その負荷は凄まじく、訓練を積んでいない人間ならばブレードミキサーに入れられたトーフ・ミールのように粉々の肉片と化すだろう。



......しかしッ!彼らの姿を見よ!


船長として舵を握る銀髪の少女!その胸は平坦!

《エルメテ・コーデリオン》


アンカーの操作を行う眼帯ナイスミドル!副船長にして宇宙ドラッグジャンキー!

《ランドヴィル・グレーシャス》


リフレクト・シールドへのハッキングを担当するネコミミ巨乳美女!給料は宇宙シャケ・フレーク1ダース!

《ハイデン・"ミャオ"・ガルーダ》


そして船内に散乱する宇宙カップ・ソーメンを的確に回収するアンドロイドメイド!

《ヴォイドシーカーX(命名:エルメテ)》


いずれのメンバーも強烈なGを全く意に介せず!


平然と!


自らの役割を完璧にこなしているのだ!!


アリエナイ!!



------



激しく身体を揺らし抵抗する宇宙クロマグロ。その動きには未だ余裕が見て取れる。


それもそのはず。宇宙クロマグロと漁船の体格差は10倍以上。並の宇宙漁師ならば振り回されてデブリや小惑星等と衝突し、宙の藻屑へと消えるのが常だ。この宇宙クロマグロも、今迄何機もの宇宙漁船を鉄屑に変えてきた歴戦の強者だ。


しかし、エルメテの表情は---そんなくだらない常識を嘲笑うかの如くニヤついていた。



---WTF!?

驚愕--!宇宙クロマグロの瞳孔が揺れる!



銀白のブレード・シルエットは宇宙クロマグロの力を利用して魚体の周囲を高速回転航行!!

少女船長エルメテは、その巨体が生み出す膨大なパワーを完全に掌握していたというのか!?なんたる事だ!アリエナイ!


ワンダホォォウ!!みるみるうちに宇宙クロマグロにワイヤーが巻き付いていく!!

これが意味するものとは......いや、まさか!?


「YES!!頃合いだぜランディー!やれッ!!!」


「グハハハッ!!イエス・マム!!最高だぜ船長ォ!!」


エルメテの指示を受け、ランドヴィルが下品な笑い声を上げながら赤いレバースイッチを押し倒すッ!


-----------------------------------------

SLAAAASH!!!!

-----------------------------------------


突如ワイヤーからソーラーダマスカス・ブレードが展開され、宇宙クロマグロをワギリ・オツクリにせんと超高速回転し始めたのだ!!

宇宙クロマグロの血肉が、宇宙空間に巨大なゴア・リングを形成していく!!

(*ゴア表現SE*)


「キタぜ!クリティカルヒットォ!」



今までポーカーフェイスを貫いていた宇宙クロマグロも、遂に生命の危機に直面した事を悟り恐怖に慄く!!


しかし、全ては遅かった......宇宙クロマグロは痛覚を遮断しダメージを吸収するリフレクト・シールドが消滅していた事に気付かなかったのだ。


ワイヤーを通して宇宙クロマグロの脳内をハッキングしたハイデン女史は得意気な表情でメイドにニボシ・ミールを催促している。



----勝負あり。


リフレクト・シールド消失中に残虐殺傷兵器ワイヤーブレードと内臓エリアに到達したドリルアンカーによる同時致命攻撃を受けた宇宙クロマグロは耐え切れるはずもなく----急激に速度を落としていく宇宙クロマグロは数十秒後には完全に衰弱し、ほぼ動けなくなった。


こうして宇宙クロマグロは漁船に牽引され、新鮮な状態でイチバ・コロニー、そしてあなたの食卓へと運ばれていくのだった。


---宇宙クロマグロ、イキジメ完了。




......いや、少し待って欲しい。最も肝心な事を忘れてはならない。


彼らはたった一機で、かつワイヤー兵器しか使わずに宇宙クロマグロをイキジメしてみせた。これが意味するものとは、即ち---


「イポン釣りだァァァ!!!!」


「「「YEAHHH!!!!」」」


彼らが行ったのは伝説の古代漁法、イポン釣りそのものだったのだッッ---!!!!


<<つづく>>


「ドリル・スパイクアンカー」

ごく一般的な宇宙漁装だな。

エルメテが使用しているソーラーダマスカス鋼製のものは非常に珍しく高価なもので、殆ど出回っていないみたいだぜ。


「リフレクト・シールド」

宇宙海産物が展開する防衛機構だ。いわゆるサイキックシールドの類らしいが、俺にも詳しい事は分からない。

脳へのハッキングで破壊できるって事は今回の話で初めて知った。


「ブレードミキサー」

するどいブレードが仕込まれたミキサーだな。特に説明する事はない。

*ブレードミキサーは、ヤラタ・グループの登録商標です。*


「トーフ・ミール」

白い正方形の合成食料だ。とにかく柔らかくて、味はしない。俺はあんまり好きじゃない。


「アリエナイ!」(1回目)

ここでは「ヤバイ」もしくは「イカレテル」の意味で使われているみてぇだな。


「アリエナイ!」(2回目)

ここでは「聞いたことがない」「前人未踏」の意味で使われているみてぇだ。便利な言葉なんだな。


「ソーラーダマスカス・ブレード」

ソーラーダマスカスってのは、太陽の熱で鍛えられたダマスカス鋼の事を言うんだ。コイツは、このルミナスフィールドでは最も硬い金属って話しだ。

......それにしても、ワイヤーに大量のソーラーダマスカス・ブレードを仕込むなんてふざけた話だ。一体いくら掛かったのか、見当も付かないな。


「ワギリ・オツクリ」

上級労働者や資本家だけが口にする事ができる高級料理のことだ。当然俺なんかが食えるもんじゃねえから味は知らねえ。

なんでも、ワギリにした小型宇宙魚の内臓の代わりに未変異オーガニック野菜などを詰め込んだものらしい。美味いのかねぇ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ