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白虎丸篇

 



[プロローグが終了しました]



 お茶を啜っていると、突然そんな言葉が目の前に現れた

 なにこれ...ウィンドウと同じ仕組み?


 プロローグが終了したって事はここから本編、つまり、ルート選択にうつるわけよね

 こんな所でお茶を啜っている場合じゃなくなってしまったけれど、ストーリーが進んだ事に少し安心した


 でも次のルート選択、これはかなり重要になりそうだ。

 乙女ゲームの基本として何処かの場所に行くと誰かしらに会える、そこにいた人物のルートに入る事が多い

 つまりこれから行く場所は凄く重要という事になるのだけれど...


 如何せん、この家に何があるのかサッパリ把握していない

 だいたい何処に行こうかな?みたいに選択肢が出てくるのを選んでいただけだし...こういう選択肢は出てくれないの?


 と、言うことはこの部屋から一歩出た先、そこにいた人物にルートが決まってしまう可能性も充分にある。

 攻略の難易度...どんなだっけ...?


 最初はやっぱり推しキャラに行くよりも難易度を優先すべきだろうなぁ、この世界の仕組みも全然わからないし

 それに死と隣り合わせみたいな世界だ、臆病にいこう


 そうと決まれば今の所一番好感度の高い白虎丸かな!


 確か白虎丸は湯浴びに行くって言ってたから...お風呂場を探せばいいのかな?

 お風呂場までは忍び足で行かなきゃ...


 スゥーー


 ゆっくりと扉をあけて辺りに人がいないか確認する。

 よし、誰もいないみたいだ...でも右と左、どっちに行けばいいの?


 ピコンッ


[右に行く][左に行く]


 これは、ウィンドウ!?

 全然意味無いところで選択肢出してきた...!!

 いらないよその選択肢!


 なんとなく勘で...左にしようかな。

 タッチするとウィンドウはそのまま何も起こらずに消えていった。

 なにこれ、なにか意味あったの...?

 こんなの普通に右にだって行けるじゃない

 まぁいいや、とりあえず左方向に行ってみよう


 少し歩くと、見覚えのある玄関先についた。

 確か白虎丸はこっちの方向に...


「お姉ちゃん?またこんな所でなにしてるの?」


「わっ!こ、黄金くん?黄金くんこそさっきは急に居なくなったのに、また玄関に...?」


「あ、さっき蝶々が飛んでるの見つけて捕まえに行ったんだけど、逃げられちゃって...へへ」


 可愛い...!!ショタコン受けがいいのも納得いくな、プレイしてた時はあまり関わりのないキャラクターだったけど、こんな子だったんだ


 緩む顔を引き締め、気を取り直す


「そうだ、黄金くん、白虎丸はまだお風呂にいる?」


「たぶん居ると思うよー、さっき鴉くんが世話してたし、でもそろそろ出た頃じゃないかなー?」


「そう、ありがとう。所でお風呂の場所わかる?」


「ん?あー...もしかしてお姉ちゃん白虎丸に会いに行くんだー?妬けちゃうなぁ」


「妬け...!?」


「ハハッ、顔真っ赤ー!とりあえずついておいでよ、連れて行ってあげる」


 そう言い私の前を歩き出した黄金は上機嫌で道案内をしてくれているようだ。

 良かった、これでとりあえず白虎丸には会いに行ける

 本当に会いたいのは龍河だけど...今は白虎丸を攻略する事を考えなきゃ


「はい、ここがお風呂場。白虎丸ー、いるー?」


 コンコンッとお風呂場の戸をノックした黄金は中にいるかを確認してくれているようだ。

 微かに中から物音が聞こえると、ガラガラっと勢いよく戸が開かれた。


「あ?なんだ、黄金か。どーしたんだよ?」


「わああああ!!」


 思わず叫び声を上げてしまった...それもキャーとかじゃない可愛らしくないやつ...

 だって、だって、白虎丸裸にバスタオルを腰に巻いてるだけなんだもの!


 こんなに立体な男の裸なんて、元の世界じゃ確実に見る事はなかった、せいぜいお父さんのだらしないタユタユのお腹ぐらいだもの!

 程よく筋肉のついた引き締まった身体なんて知らないもの!


「うわ、なんだようるせぇな...って凜音、こんな所で何してんだ?龍河に案内頼んどいたはずだけど」


「そ、それはそうなんだけど、と、とりあえず服を...!!」


「やだよ、あっちぃし」


「も、もう少し恥じらいを...ね?」


「恥じらい?俺なんかまずい事してんのか?」


 もしかしてこの人、そういう概念ない感じ...?

 助け舟を出すかのように黄金が、口を挟む


「さすが白虎丸、知能がお子ちゃまだなぁー、女の子相手に裸はないでしょ」


「あ!?お前の方がガキだろうが!...って、え?女の前で裸ってダメだったのか...?」


「ハレンチ」


「〜〜〜っ!?ふ、服着てくるから待ってろ!」


 ピシャンッ


 急いで戸を閉めた白虎丸はどうやら中で服を着るためにバタバタしているらしい。

 し、心臓に悪いな...この世界...

 でもよく考えたら20半ばで恋愛経験0の私が男の人と同居しなきゃなのよね?

 それに、そんな男の人達を惚れさせるぜ!とか言っちゃってるわけよね?

 大丈夫なのかなぁ...これ...


 ガラガラッ


「おかえりー、早かったね」


 黄金の声にハッとして扉を見れば、しっかりと和服を着た白虎丸が気まずそうな顔で立っていた


「お、おう、そのー…なんだ…さっきは悪かったな」


「…え?」


「…!だーかーら!女の前で上裸とか…駄目なんて知らねぇし…そもそも家には男しかいねぇし…生まれた時から男ばっかりだったから…」


「あ、えっと…私も急に来ちゃったから仕方ないよ、取り乱しちゃってごめんね?」


 最後の方はゴニョゴニョ言っててよく聞こえなかったけど、白虎丸なりの必死の謝罪の言葉なのかな?

 しかし、ツンデレキャラの女慣れしてないこの感じ、嫌いじゃないよ私

 むしろ大好物

 なんて口が裂けても言えないからヒロインが言いそうな謙虚な返事をするしかないのだけど


「お前が謝る事じゃねぇよ…と言うか、何か用か?」


「僕はお姉ちゃんを案内しに来ただけだよ〜!ふふ、お邪魔になりそうだからそろそろ退散しよーかなぁ?」


「なっ!お邪魔っててめぇ、何のだよ!」


「何のって何のだろ〜ねぇ?あれ?白虎丸ちょっと顔が火照ってるみたいだよ?」


「馬鹿っ、これは湯浴びした後だから…ってこら、待て!」


 話の途中にも関わらず黄金はニコニコしながらパタパタと走り去ってしまった

 お役目ご苦労様です、と言いたいところだけど、どうしよう…

 攻略の為に白虎丸の所に来たはいいけどこの先の事を一切考えていなかった

 話す内容なんてないし…


「チッ、言っちまった…んで?凛音は俺に何か用か?」


 ピコンッ


 白虎丸が言葉を放った瞬間、耳元に電子音が響いた

 あ!選択肢きた!


 〘この家について聞く〙

 〘散歩に誘う〙

 〘部屋に戻る〙


 ……どれも微妙〜〜!!!

 まずこの家について聞くってのはいつでも出来そうだし、散歩に誘うって言っても雰囲気作りの完璧な散歩は大体夜とかじゃない?やっと夕日が出てきたかなぁ?ぐらいの時間帯にしかも序盤で二人きりの散歩って…

 でもそうなると最後の選択肢は部屋に戻るだし、せっかくここまで来て上裸見ただけで帰るとかただの変態にしかなってないじゃない!!


 ええい!もうしょうがないからコレ!


 〘散歩に誘う〙


「ち、ちょっと外の空気が吸いたくなっちゃって…一緒に散歩でもしないかな?って…」


「はぁ?散歩?さっき家に来たばかりなのにか?」


 で、ですよねぇえええ!!!

 いやいや、気持ちはわかるのですけど選択肢がそれしかなかったのよ

 これはゲームの世界、選択肢に従えばどうにかルートには繋がるはず

 めげないよ、私は


「そ、そうなんだけど!ほら、私記憶がなくて知ってる人はさっき会ったこの家の人と白虎丸ぐらいでしょ?一人でいるのは何だか心細くて」


「…そっか、そうだよな、うっし!散歩行くか、あ。でもそのかわり歩くのが遅かったら置いて行くからな」


「!うん!ちゃんとついていく!」


 記憶喪失パワーは偉大なり

 置いて行くとか言ってなんだかんだ歩幅合わせてくれちゃったりするんだろうな、このツンデレは

 早々に前を歩き出してるけど、少し後ろを歩こう

 この時代の女は男の3歩後ろを歩くとか聞いた事がある気がするし

 ヒロインには多少の謙虚さが大事なのも予習済みよ

 あーあ、現実世界でもここまで上手くヒロイン要素を出せてたらモテモテライフだったんだろうなぁ

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