出逢い〜夜桜視点〜
“力を有する者、午後三時にて屋敷の庭にて集え”
これは報酬も弾むだろう、と考えた私は、屋敷の庭で時間を待っていた。
「これより皆の中で最も強い者を決めてもらう。ここで自由に戦ってくれて構わない。周りの人を皆殺しにしたものが優勝だ」
庭のスピーカーからそう声がする。
とうとう始まった。
始めの合図と同時に蠢く人々。
鎌を出し、私の近くの人から首を落としていく。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
という断末魔。煩いなぁ。
あっという間に私ともう1人が残る。
黒目黒髪の少年は、長剣を構えた。
顔立ちは女みたい。可愛い顔。
私はゆっくりと彼に歩み寄る。
優雅に咲き誇る夜桜のように。
火花を散らして長剣と鎌はぶつかり合う。
ブンッと鎌を振れば、彼は鎌の上に乗りやがった。
私は焦って滅茶苦茶に鎌を振り回す。
「こ、このっ!!」
少年を振り落とし、私は少年の首を撥ねようとする。
だが屈んで避けられた。
奥の手は、使わない。私の実力だけで勝ってやる。
今更ながらに気付いたことがある。
私の鎌に彼が乗った時に、そのまま私の鎌を歩いてくれば私を殺せた。
それを、少年は見逃したのだ。
悔しいが、それも事実。
だから不意を突こうと、屈んだ直後につま先部分に短剣をつけた足で蹴ろうと試みる。
少年は危機一髪で絶対半径の外へ。
私はムキになって叫んだ。
「素直に首を渡せっ!」
「渡すかっ!」
彼の声は舞い落ちる雪のように可憐だった。
私の息は既に上がっているが、向こうはそうでも無いようだ。
男女の差か。
私は少年の首に鎌を突きつけた。
しかし、私の首には彼の長剣。
相討ち……
「相討ちか。なら、今から決闘を、」
スピーカーからの声。
「待って。この人は、本気を出していないわ。私を殺すチャンスがあったのに、それをわざと見逃した」
彼はバレてたのか、って顔をした。
分かりやすい。
「貴方、名前は?」
私は彼に問う。
「有希だ」
「そう、私は夜桜。じゃあね」
ユキ、か。
私はユキというらしい少年に背を向け、立ち去った。
彼とはまた、会うだろう。
敵には回したくない相手だ。
今回は更新が早い代わりに夜桜視点。
夜桜が漢字でアリスが片仮名なのは国が違うせいです。
日本とアメリカみたいな?そんなに遠くないですが。




