よるのこと 2
「あれ、なんでお前ハアハアいってんの?」 紹介します。同じクラスのゴロウです。
「筋トレしてたからだハアよ」
「だはハアって、なんだやってたのかと思った」
「やってねーよ」男子高校生がやったのやってないのといえばあれだ。誰とやるんだよ。
「そっか、いまみんなでメシ食いに行くんだけど来ねえ?つけ麺」
「きょーうは、いいや。ウチで食べる」
「うわっ付き合いわる!だからダメなんだよ」
「なにがダメだよ。またあとで」
「おーう。そんじゃ」
本当は行ってもよかったけれどちょっとお金がピンチだった。つけ麺てなにげに高いんだよ。またバイトさがさなくちゃな~。それにしてもダメってなんだよ。どうせこないだの事言ってんだろ、アレはだって・・ まで考えてヤメタ。済んだ事はしょーがない。次の恋に行こう。そのために筋トレだ。えーっとどこまで・・・。いいや、今日はもうおわりっ!オレは晩ご飯を求めて居間に向かった。
3
バイトが終わって帰る途中で大学の友達にメールしながら歩いてると伝助さんに「あぶないよ」って声を掛けられた。伝助さんは私の・・ええと話すと長くなるのでカイツマンデいうと私の年上の知人だ。近所に住んでてみんなで飲んだり遊んだりする仲で仕事は・・?なにしてるんだっけ。
「一杯どうかね」って誘われて入った丁度帰り道にある居酒屋「四面楚歌」で伝助さんに聞いてみることにした。
「ねー、伝助さんって仕事何してるんだっけ?」 生ビールがふたつ。
「仕事?えーとねえ・・探偵」 梅酒ロックとハイボール。
「ウソだ。それこないだのDVDでしょ!?なんだっけあれ?」 レッドアイとタンタカタンロック。
「本当だよ。探偵業、みたいな。ちなみにこの前観たのは濱マイクね。」 ハイボールと電気ブラン。
「絶対嘘。何だっけ確かー、そうだ!!床屋さんだ。南口の。」 カルアミルクとディタオレンジ。
「知ってんじゃん。今は他の支店だけどね。昼はバーバー。で夜は探偵、みたいな。」 ちょっと休憩。
「なにそれ。ほんとなの?」
「まー依頼された仕事をしてるって言うか。詳しくはアレなんだけどね」 巨峰酒ロックとウーロン茶。
「へー。そうなんだ。ほんとかしらね。」 伝助さんは変わった人です。