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Miracle Sound 【本編】  作者: 柏田 華蓮
第1章 過去の異音
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音を捨てた日03 side 果琳


 あたしはお父さんに知られないように、

 そっと自分の部屋でお泊りの準備をして急いで家を飛び出した。





 あれだけ信じていたお父さんが、自分たちが知らないところで裏切っているだなんて。






 幼心にもそれは分かっていた。


 お父さんがしていたのは、不倫と呼ばれる関係だって。







 息が切れるまで走り続けた。






 走る途中で何人もの人にぶつかった。





 何人目かにぶつかった後、高校生くらいの人に嫌な顔をされた。



 でも、そんなの気にしていられなかった。


 頭の中の残像を、消し去りたかった。








 だからかな……。








 信号にすら気付かずに、走ってきた車に轢かれてしまったのは。










『おいっ、しっかりしろ……!!』






 車に轢かれた時の記憶の片隅に、男の人の声がした。



 でも頭が痛くて、目の前は涙でぼやけてて、よく見えなかった。



 だからこのまま死ぬんだって、死ねるんだって、そう思わずにはいられなかった。







 気がつけば、暗い道を彷徨っていた。







 それから、世界に一人ぼっちになる夢を見た。


 でもなぜかその時、1人だったけど、不思議と寂しくなかった。










 ずっと、歌が聞こえてた。








 辺りには聞こえない、頭の中に響いてくる歌が聞こえた。


 その歌はあたしを光へ導くように、体を押してくれた。







 けれど歌は、儚いんだね。

 聴き続けていたい歌はいつの間にか消えてしまったから。




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