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Miracle Sound 【本編】  作者: 柏田 華蓮
第3章 イミテーションの輝き
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線引きの外側01 side 果琳

熱にうなされている間、夢を見た。

「それ」は何だったか忘れたけど、とても心が温かくなった気がした夢だった。


朝、目が覚めて自分の部屋じゃないことに気がついた。


まず見えたのは白くてわたしの部屋よりも高い天井。

ちょっと目を横にずらせば、見たことのないおしゃれなルームライトが立っていた。

肌触りのいいシルクの掛け布団を名残惜しむように撫でると、やっぱり見たことのない白い扉の向こうから人が現れた。


――あ、起きたな


その(ひと)はあたしが起きたことを確認すると、にこりと目に弧を描いてそして、そっと私の額に触れた。


夏なのに、ひんやりとした冷たい手。

彼があたしの額に手を当てている時間、ずっと心がこそばゆくて窓の外を眺めていた。


雨が降っていた。


――熱は昨日よりかは引いてるっぽいけど、まだ微熱だな


彼=Lenはあたしの額から手を離すと隣に腰かけ視線を合わせて来た。


「朝ごはん作ったけど食べれそう?」


あたしが口を読みやすいように人差し指を自分に向けて、そう話していた。あたしはただ頷いて彼を見つめた。


すると、嬉しそうにほほ笑んであたしに手を差し出す。

差し出された手の意味がわからなくて、疑問の視線を投げかけると、ただ笑顔で「手」とあたしの両手をとって起き上がらせた。


昨日の夜、朧気だったけど本当にLenって背が高いし、足が長いと1人思った。

リビングに手をひかれながら、彼はあたしの携帯も忘れずに渡してくれた。


『今日の朝ごはんは俺お手製のフレンチトーストね』


開いた携帯には事前に打っておいたんだろう文字が表示してあった。


意外とマメで抜け目ない。


あたしが彼に抱いた第二印象だった。



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