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叩きのめされて

誰もいない。誰か。誰か。蚊の鳴くようなか細い声でいつもつぶやいていた。誰もいないわけじゃない。みんなで言っていた。「止まれ!!」。逆。自分で言っておきながら、その意味が分からない。皆で叩きのめし、ようやく。誰かがいたというのなら、こんなことはしたくない。誰かが構ってくれるなら、もっと楽しい話がしたい。誰もいないのが、つらい。どうやら、いるらしい。僕はそれだけで、もう満足だ。ほんの少し気持ちを語っていいのなら、それだけで十分だ。

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