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邸宅の制圧


 邸宅の中では、ダニエルが撃たれたまま、まったく身動きが取れなかった。


 その間、賢一は後ろに、メイスーを引き連れて、壁際を慎重に進んでいく。



「メイスー、俺が先に行く? そっちの部屋を調査してくれるな?」


「はいっ! 背後は任せて下さい…………」


 そう言いながら、うす暗い廊下を、CF98とゴボウ銃剣を構えながら、賢一は歩いていく。


 メイスーも、部屋に入る前に、敵が居ないかと、丸ノコを投げ飛ばした。



「賢一さん、こっちは居ませんっ!」


 次に、メイスーは室内の家具であるベッドの下や、クローゼットを入念に調べた。



「なら、ダニエルを手伝ってやってくれっ! そっちの方が、キツそうだからなっ! 俺は奴らの裏手に回る」


 本当ならば、室内戦では声を出さずに制圧するのが、自衛隊による戦いかただ。


 しかし、賢一の味方は、ほぼ訓練や戦闘などを経験していない素人だ。



 だから、話し合いながら敵と味方の位置を調べて、前進するしかない。


 そして、彼は曲がり角にくると、九九式狙撃銃を取ろうとした振りをして、蹴っ飛ばした。



「来たぞっ! マフムードの仇だっ!」


「撃ち殺してやれってーーのっ!」


 白人男性は、モシン小銃を撃ち、黒人女性はモスバーグ500から散弾を放ってきた。


 当然ながら、それらの攻撃を予測していた賢一は、壁際に背中を預けて、ただ終わるまで耐える。



「そこに、居るのは分かってるんだよっ! っ…………なかなか、反撃できないか」


 曲がり角を、ライフル弾が貫通したため、賢一は少し奥に身を引っ込める。


 散弾も、壁に無数の小さな穴を開けてしまい、彼にプレッシャーを与える。



「この、このっ! くたばれっ!!」


「死ねっ! 変態野郎っ! 弾が?」


「ただ、待っていれば…………時間はできる」


 数分間、発射されるライフル弾と散弾が、止まる瞬間を、賢一は辛抱強く待っていた。


 白人男性と黒人女性たちは、罵声を吐きまくるが、使用している銃器が弾切れとなった。



 しかし、本当に残弾が尽きたのか、罠に嵌めるために、嘘を吐いている可能性もある。


 とは言え、ブラフだったとしても、勝負に出るしかないと思った彼は、曲がり角から飛びだした。



「かかったわねっ! まだ、弾が残ってたのよっ!」


「弾がなければ、殴るまでだ」


 モスバーグ500を黒人女性が撃とうと構え、白人男性は、モシン小銃で殴りかかろうと走る。


 ただ、勝負を仕掛けた賢一の射撃と格闘攻撃が、連中よりも僅かにはやかった。



「うぎ…………」


「ぐはっ!?」


 黒人女性は、脳天に何発もの弾丸を喰らい、白人弾丸はゴボウ銃剣で、胸を貫かれた。



「終わったか? ここは、もう安全だ? しかし、あのドアと曲がり角は、危ないっ!」


 廊下に、倒れる死体を見下ろしたあと、賢一は左側の壁に貼りつく。


 そこから先は、負傷しているラテン系の男が、待ち構えているに違いない。



 密かに動き、曲がり角を警戒しながら、彼は廊下右側の中央にある両ドアにも気を配る。


 ここからも、いきなり敵が飛び出してくる可能性があり、注意しなければ成らない。



「ふぅ…………腹が痛くなってきたな」


 緊張で、胃がムカムカすると感じながらも、賢一は両手に武器を構えて、ゆっくりと移動する。



「そこに隠れているのは、分かる…………参ったな? 向こう側のドアも、怪しいしな? うわっ!」


 賢一は、曲がり角で、待ち構える伏兵だけでなく、廊下中央にあるドアにも警戒を続ける。


 しかし、それが当然、激しい銃撃を受けて、ボロボロに成りながら破れたたのだ。



「ぐぅ…………」


 ドアが開くと、ラテン系の生存者が、こちらに背中を向けながら、赤く染まった体を倒れさせた。


 いきなり、やつの手からペティナイフが転がると、賢一は何が起きたか分からず困惑する。



「なんだったんだ…………」


「よお? 賢一、生きていたか? 民間人を助けるためには、悪党を懲らしめないとな」


 誤って、同士討ちしたのかと思っていた賢一は、警戒しながら後ろに下がっていた。


 しかし、視線の先からは、九九式軽機関銃を持っているジャンが現れた。



「お前? どうして、ここに…………」


「トラックが突っ込んでから、敵の攻撃が弱くなったっ! それで、森から裏側に回り込んだとな」


 思わぬ味方の登場に、賢一は首を傾げてしまうが、ジャンは真顔で短く説明をした。



「うぎゃあっ! 撃たれ…………」


「イザベッラ? チクショーー!!」


「キアラッ! 逃げるぞ、先に行けっ!」


 M4カービンを部屋の中から撃っていた白人女性イザベッラが撃たれたらしい。


 さっきから、弾が飛び交う射撃音が聞こえないと思っていたが、どうやら動きがあったようだ。



 キアラと呼ばれた白人女性が、M60を構えながら、曲がり角から飛び出てくる姿が見えた。


 そのため、賢一とジャンは真正面から現れた彼女を、撃ち殺さんと武器を構えた。



「遅いっ! 拳銃の方が速いんだっ!」


「うおおおおっ! 民間人の助けようともしないクズどもめっ!」


「うぐああああああーー!!」


「キアラーーーー!! ぐふ…………うぅぅ」


 賢一のCF98と、ジャンが抱える九九式軽機関銃は、弾丸をバラまきまくる。


 結果、キアラは体が蜂の巣となり、M60も弾丸が当たって、粉々に砕け散ってしまった。



 アジア系の男性も、彼女を助けにきたが、横から拳銃で銃撃されてしまう。


 こうして、彼も運悪く、放たれた弾丸の一発に、側頭部を撃ち抜かれた。



「殺ったか? 賢一、そっちは?」


「部屋の中のは、私が倒しました」


 廊下の先から、ダニエルとメイスー達が話しかけてきながら、こちらに歩いてくる様子が伺がえる。


 賢一は、彼らと合流するため、左側の門を曲がって行こうとした。



「二人とも、無事か? はっ!」


「ハッサンまで殺られたか? 自決するしかないな…………う」


 賢一の前に、マフムードと呼ばれた敵が床に倒れたまま、こめかみに九四式拳銃を突きつける。


 しかし、自決するかと思われたが、その前に一回だけ吐血すると、静かに息耐えた。



「ここは、コイツで最後か? 終わったのか…………」


 辺りには、マフムードの死体と、ロンドンガンと呼ばれる大型二連散弾銃が頃がっている。


 その手前には、横倒しにされた大きな鉄棚と黒いソファーを組み合わせた遮蔽物があった。



「きっと、ここから撃っていたんだな? はあ」


「賢一、裏に行こうっ! まだ敵は残っている」


「まだ終わらねぇのかよ?」


「疲れましたわ…………でも、行きましょう」


 ソファーに座りたいと思う賢一だが、ジャンは踵を返して、自分が出てきた両ドアに向かう。


 ダニエルも、疲労困憊であり、メイスーも気落ちしたような顔だったが、仕方なく歩きだす。



「そうだな? 裏側に回るかっ! はあ、飛行機の音がするっ! 伏せろっ!」


「うわああっ!?」


「きゃああああーー」


「…………落ち着け」


 飛来するプロペラ音とともに、ガガーーーーと言う機銃掃射の音が響きわたる。


 賢一は、大慌てで身構えたが、それは工場の方に向かったらしく、ここには来なかった。



 ダニエルは騒ぎだし、メイスーもパニックになって、床に這いつくばった。


 ジャンだけは、冷静に身を低くして、頭を抱えるように両手で覆い、平然とした顔で対応した。



「向こうに行ったか? だが、今は裏側に回る方が先決だっ! みんな、着いてきてくれるか?」


「ここは、T字型の通路になっているからな? 向こうに下に続く階段とバルコニーがある」


 賢一は、両ドアから出ると、そこには廊下となっており、両側に部屋とドアがあった。


 もちろん、そこはジャンが調べ尽くした後であり、念のために銃を向けたが誰も出てこなかった。


 ■ 武器説明。



 ⭕️ 大型二連散弾銃ロンドンガン



 高級な大型散弾銃であり、威力は凄まじいが、重くて、反動も強い上に装填速射も遅い。

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