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ギャングと生存者たち


 白人ギャングと黒人ギャング達は、疲れきっている表情で、助けを求めている。


 だが、どう見ても連中が、悪人なのは確実だし、罠であることも明確だ。



「近づいてくれば、撃ち殺してやるっ!」


「引き金は、いつでも引けるよ…………」


 ギャング連中の中から、こちらに向かってくる者たちが居ないかと、賢一とモイラ達は目を凝らす。



「待ってくれ、彼らは悪人なんかじゃないよ…………」


 たった一人だけ、群衆からアジア系の老婆が、こちらに向かって歩いてくる。



「誰だ、あの婆さんは?」


「気をつけて、イラクでは爆弾を巻き付けてたから…………戦場ジャーナリスト時代に、さんざん見てきた手だわ」


 太木の陰に隠れながら、ダニエルは緊張しながら老婆が歩いてくる様子を伺う。


 両肩と両手に、エリーゼは力を込めながら、いつでも、MP28を連射できるように待ち構える。

 


「婆さん、待ってくれ」


「爺さん、大丈夫だわ…………」


「止まれっ! 止まらないと撃つぞっ! 撃ちたくないんだがっ!」


 群衆に混じっていた白髪の老人も、前に出てきて、老婆とともに進んでくる。


 草むらから、AR15の照準を、賢一は歩いてくる二人に合わせるしかなかい。



「あの子たちを苛めないでくれ、私たちを助けてくれただけなんですじゃ」


「ワシら、老人やスラムのっ!? ぎゃああーー!?」


「アイツら、老人を撃ちやがったっ!」


「いや、別の連中だわっ! 右の方向よっ!」


 青いワンピースの老婆は、ゆっくりと歩いてくると、弱々しく声をかけてきた。


 白いTシャツ姿の老人も、こちらに来ていたが、背後から撃たれて、口から血を吐いた。



 身を伏せていた賢一は、敵が撤退していくと、すぐに倒れた二人の様子を探る。


 ギャング達ではなく、別な方向から撃たれたと分かっているモイラは、そっちを睨む。



「ギャング発見、撃ち殺せっ!!」


「治安維持のためだ」


 ピックアップが走ってくると、荷台に乗っている警備員たちが、いきなり銃撃してきた。


 連中は、三両編成の車両部隊で、猛攻を仕掛けてきたが、すぐに撤退していった。



「くっ! おい? 爺さん、婆さん?」


「ああ、爺さんや? ぐ…………若いの? 必ずや仇を取っ? …………」


「危なかったわ、今の襲撃は何だったの? いや、それよりも救急キットをっ!」


 目の前で、いきなり銃撃が始まったため、賢一は慌てながら、倒れている二人に駆け寄る。


 老人と老婆たちは、銃創から真っ赤な血を流しながら呼吸が浅くなっていく。



 M4カービンを構えて、モイラは三人の側で、再び襲撃を受けないように警戒する。


 そして、負傷者たちの救護手当てをしようと、彼女も駆け寄ってくる。



「何だったんだ? 今のはっ! それよりも、二人は…………くうう、脈がない」


「ギャング連中は、お断りってか? 最低な連中だぜ」


「ひええ~~!? 今の人たちは、警備員なんじゃ? 私兵やギャングじゃないのにっ!」


「だからよ? この混乱下で、まともな考えじゃない奴だって、治安維持部隊やセキュリティーの側にも出るでしょう?」


 ジャンが駆け寄るも、すでに老婆と老人たちは事切れており、物言わぬ骸と化していた。


 襲撃してきた連中が、過ぎ去ったあとの道路を睨みながら、ダニエルは呟く。



 老夫婦が命を落としたことで、メイスーは大慌てで駆け寄ってきて、叫びながら涙を流す。


 険しい表情で、エリーゼは周囲から再び敵が来ないかと警戒しながら、MP28を構えた。



「マリアン婆さんっ! ニック爺さんっ!」


「ギャアア~~~~」


「グルアアアア」


「うわあっ! ゾンビが来たぞっ!」


「女、子供、老人を中に容れろっ!?」


「きゃああああっ!?」


 ギャング達は、慌てふためきながら奥から走ってくるゾンビ達を迎えうとうとした。


 白人ギャングは、右手に金属バットを構え、黒人ギャングも素早くロングナイフを握る。



 難民たちを、両側にある家屋に避難させながら、アジア系のギャングは、後ろに振り向く。


 太平洋系の女性生存者は、建物に入られる場所がないかと、入口を探して、ひたすら走り回る。



「うわああ~~んっ!?」


「怖いよーー!?」


「ああ、赤ちゃんがっ!!」


 黒人の赤ん坊は、ギャンギャンと泣き出し、姉らしき少女は、不安そうな表情を浮かべる。


 母親らしき女性は、二人を抱きながら身を屈めて、どこから奇襲を受けるかと怯えるしかない。



「チッ! どうやら、本当に生存者の集団だったらしいなっ!」


「私たちも加勢するよっ!! とにかく、走っていかなきゃねっ!」


「民間人を守るのが、俺の仕事だっ!!」


 賢一は、ピックアップに乗ると直ぐさま、エンジンをかけて、突撃の準備を行った。


 モイラとジャン達も、荷台に飛び乗りながら、それぞれ銃を構えようとした。



「ゾンビが来るぞっ! 撃ち殺せ」


「老人を草むらに隠してっ! 私たちも戦うのよっ!」


「ギュアーーーー!? グゲア?」


「グルルルル、ヴルル…………ルア?」


 M1ガーランドを乱射するラテン系のギャングは、白人フレッシャーを仕留めた。


 ウージー短機関銃を腰だめで連射しまくり、白人女性ギャングは、小走りするゾンビ達を排除した。



「グルアア~~~~!! アアーー!?」


「グギャアアーーーー! ガフンッ!?」

 

「お前らっ!! 退け~~!!!!」


 道路の真ん中を突っ切るピックアップは、フレッシャー&ジャンピンガー達を吹き飛ばす。


 そして、停車したあと、中から賢一が出てくると、CF98を乱射した。



「もう一台あるぜぇぇ」


「ガルアア」


「グルルッ!!」


「うわあっ! 両端に走れ」


「危ないわっ! きゃっ!」


 またもや、ピックアップが走ってくると、ダニエルが、窓から片手でトンプソンを取り出した。


 もちろん、適当に撃ち始めたため、弾が当たることはないが、彼にゾンビ達は集まってくる。



 その間、黒人ギャングと白人女性難民たちは、大慌てで、アチコチに散っていく。


 正面からは、フレッシャー&ジャンピンガー達が、群れを成しながら突っこんできていた。



「オラッ! 鉛弾を喰らえっ!」


「グギ?」


「ギャハ…………」


 ピックアップの荷台に上がって、賢一はCF98で、フレッシャー達を撃ち抜いていく。


 ここは、小さな家々が疎らにあるため、そこら中からゾンビの群れが出現する。



「海兵隊員に、楽に勝てると思わないことだねっ!」


「ブベッ! ギキーー」


「ナイフで、切れば? お前らも大人しくなるだろう」


「ギキィィィィ」


 草原から、奇襲を仕掛けてきた白人女性フレッシャーの首を、モイラはマチェットで切り裂いた


 黒人ジャンピンガーの顔を狙い、ジャンは何度もダイバーナイフを振るう。



「私たちも行くわよ」


「ああ、派手な銃撃は好きだぜっ!」


「この距離なら、ヌンチャクでっ!」


 ハチェットを片手に、エリーゼは走っていき、フレッシャーの前で、回転しながら首を撥ね飛ばす。


 ダニエルは、トンプソンを撃ちまくって、小走りしてくるゾンビを撃退する。



 ゾンビ達の顔面や手足などに、メイスーが振り回した黒いヌンチャクが打撃を与えていく。


 この六人が活躍したお陰で、中心に敵が集中して、ギャングや難民たちきら気を剃らせた。



「とにかく、撃ちまくれっ!」


「ゲ、グ、ギギ?」


「ガアガ、グガゴ」


 賢一は、水産職員ゾンビと作業員ゾンビたちを、CF98で撃ち抜く。


 ギャング達も、必死で抵抗して、女子供や老人たちを守るべく戦っている。



「うらっ! 喰らえっ!」


「ギガッ? ゲ…………」


「こ、こっちにくるなっ! このっ! このっ!」


「ウゲーー」


 太平洋系の女性ギャングは、鉄パイプを頭上から振り下ろして、白人ゾンビを殴りまくる。


 黒人ギャングも、M1カービンピストルを撃っては、消防士ゾンビを撃ち殺す。

 


「グギッ!?」


「ガア、ゲゲゲゲゲゲ」


「ギギ、ググゲゲッ!?」


「ギャアアーー」


 ゾンビ達の数は少なく、大半が銃撃で倒されていき、残りも白兵戦用武器で仕留めらる。


 こうして、難民集団を襲ったアンデッドの群れは、見事に撃退されてしまった。


 ■ 武器説明。



 ⭕️ ウージー。



 片手で撃てるほど、小さな短機関銃だが、近距離では、弾丸をバラまける。


 イスラエル軍が作った武器で、小型の割に重いため、反動を制御しながら連射できる。



 より、性能が高いMP5が、世界各国で採用された後も、値段や整備性の良さから重宝された。


 特に、中小国や傭兵部隊などでは、MP5より砂塵に強いため、非常に好まれた。



 ⭕️ M1カービンピストル。



 M1カービンを、自警団員などが、無理やりピストルに変えた物である。


 当然ながら、反動は強すぎて、遠距離・中距離での命中精度は低下している。



 これは、無理やり、ストックをピストルグリップに変えた事や、銃身を切り詰めたためである。


 しかし、威力は高いので、近距離で扱う分には問題ない。

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