民間人ではなく、警官隊に囲まれたのではなく、警官隊が囲まれた?
賢一は、ゾンビの大集団を前に、十四年式拳銃を乱射していたが、弾切れになった。
もちろん、今の攻撃で気を引いてしまっため、ゾンビ達は、彼にも襲いかからんと走ってくる。
側面を走っている集団は、拳銃やサブマシンガンなどによる銃撃を受けて、倒されていく。
だが、バスケットコートに向かう集団から、はぐれた個体は、迷わずに突っこんでくる。
「ガルルアア~~!?」
「ギャギギギギイイーーーー!!」
「ギャ、ジャジャッ!」
「グエ、グ、ガ? ゴゴ…………」
「もう一丁、持っているんだぞっ! こっちは弾数も多いから安心して、くたばれっ!」
「私だって、前に立つわ…………」
ゾンビの群れは、再び前に突っ込んでいく連中と、賢一たちに迫る者らに別れる。
バスケットコートからも、銃撃が浴びせられるが、一向にゾンビ集団の勢いは止まらない。
彼を狙ってくる白人ゾンビやアジア系のゾンビ達も、CF98に撃たれていく。
ラテン系ゾンビ&黒人フレッシャー達は、重なっていたため、弾丸が貫通して倒れてしまった。
また、その背後から現れたエリーゼが、MP28を連射しながら、敵を牽制してくれた。
こちらも、近距離で拳銃弾を連射したため、ゾンビの群れを貫きながら、ドミノ倒しにしていく。
どうやら、さっき向かってきていた連中は、ダニエルやモイラ達が倒してくれたようだ。
「おいっ! 君たち、気を付けろっ! 四方から来ているっ!」
「大変よっ! 貴方たちの後ろから、ぎゃああ~~~~!?」
「ウアアーーーー」
「ゲロロロロ、ゲローー」
正面のゾンビ達を、AK74で射殺している白人警官は、周辺から来ている敵にも気がつく。
ビルの窓から飛び降りるとともに、ジャンピンガーは、黒人女性警官を襲ってしまった。
彼女が、M4カービンを落とす間にも、周囲の屋上や屋根から、さまざまなゾンビ達が現れる。
フレッシャーが飛び降りたり、スピットゲローが強酸を飛ばしてきたりした。
「うわああっ! 後ろからも来たぞっ!」
「左側からもだわっ? 押されちゃうっ!」
「ゲローーーー!?」
「グ、グ、ウウン…………」
ラテン系で、ヒゲ面の警官は、強酸を受けたが、防弾ベストに当たっため、運よく無事だった。
彼は、ポリスモデルで直ぐに反撃して、スピットゲローを仕留めた。
白人女性警官は、M4カービンを連射して、即座に背後から襲ってきた敵を撃退する。
それに撃たれた白人フレッシャーは、胸に何発か喰らい、力なく後ろに倒れてしまった。
「不味いっ! 金網の中にも、奴らが侵入しやがったっ! しかも、また弾切れかっ! こうなりゃ、白兵戦だっ!」
「ウガアア…………?」
「ギャアッ!?」
CF98の弾倉は、まだ残っているが、それを賢一は取り替える暇なく、ゾンビと戦わねばならん。
拳銃を仕舞うとともに、彼は素早くバックステップして、バネのように跳ねながら再び前にでる。
そして、白人女性ゾンビの胸板に、強烈な肘鉄を食らわせ、押し退ける。
次いで、アジア系の男性ゾンビを標的にして、ゴボウ銃剣を抜き取るとともに、脳天を突き刺す。
「私も弾切れ? なら、ハチェットを使うだけよ」
「グウウーー! ギィィーー!」
「お前ら、援護してやるっ! オラオラオラオラ、オララッ!」
「ギャギャギャギャギャギャッ!?」
「グガガガガ、ゴガ、ギギ、ギガゴ?」
「二人とも、そこは危ないですっ! 早く離れて」
「ウッガ?」
「ガーー!?」
エリーゼも、ゾンビ達に近づき過ぎたため、MP28から、ハチェットに持ち変えた。
そして、ゾンビを引き寄せながら、一匹ずつ斧の刃で叩き割って、仕留めようとする。
自分たちに向かってきていた群れを殲滅したため、二人を援護するべく、ダニエルは走ってくる。
それと同時に、トンプソンを乱射しながら、ゾンビの群れを攻撃しまくる。
メイスーは、幾つかのパイプガンを撃ちまくって、全てを使い尽くすと、ミニボウを射ち始めた。
これらの攻撃で、正面から突撃してくる敵は、数を減らしていき、やがては増援が現れなくなった。
しかし、代わりに四方八方から、さまざまな種類の特殊ゾンビを含む小集団が、突撃してきた。
「グウウルルルルッ!?」
「ヤバいっ! うわっ! 包丁がっ!」
「俺じゃないぞっ! ゾンビの中に投げる奴らが居るんだっ!」
バスケットコートの反対側から残る小部隊が、相変わらず突撃してくる。
しかも、その中にはペティナイフを投げる料理人ゾンビと漁師ゾンビ達が、二体も存在した。
頬を掠める小さな刃に、賢一は焦りながらも、ゴボウ銃剣の腹で、軌道を読みながら受け止める。
ジャンも、サイドステップを繰り返しながら敵に反撃しようと、タガネを強く握る。
「うう…………これくらい? いや、誰だ?」
「今のも敵だよっ! 市役所の時と同じさ?」
「アア、ア?」
「ガルルルルーー! ガググゲッ!」
ジャンは、左腕を撃ち抜かれしまい、血液を滴しながらも、それに耐えながら動き続ける。
モイラは、コルト45を両手で構えながら、警備員ゾンビと兵士ゾンビ達を射殺した。
連中は、拳銃を持っており、微かに残っていた知能と攻撃本能により、こっちに射撃してきたのだ。
当然ながら、ナイフや特殊警棒を持っているゾンビ達も、ゾロゾロと現れる。
「厄介だね? こっちは任せて、アンタらは警官たちを助けに行って」
「分かったぜ…………ジャン、メイスー、来てくれっ!」
「ああ、痛みに悶えては居られないからな」
「わわわわ、私ですか? はいっ! 行きます」
狭い路地から出てくるゾンビ達に、コルト45を浴びせながら、モイラは仲間たちを守ろうとする。
ここは彼女に任せて、賢一は警官隊を援護するべく、バスケットコートに向かっていく。
ジャンも、モスバーグ500を抱えながら、痛みにより、顔を険しくせつつ彼を追っていった。
さらに、メイスーは二人の後に続いて、アチコチに丸ノコを投げながら走りまわる。
「ほらほら、カウボーイみたいに速撃ちしないと、死んじゃうよ?」
「ギヘエーー!?」
「グアッ! オ?」
モイラは、撃ち殺した作業員ゾンビを、掴みながら肉盾にして、コルト45を撃つ。
パンパンと拳銃を撃ってくるのは、元はギャングだったであろう悪漢ゾンビだ。
もう一体は、ベストから取り出した丸ノコを投げてくる作業員ゾンビだ。
ただ、その狙いは正確ではないため、連中は銃撃戦に負けてしまった。
「お前ら、俺も相手だっ! この野郎っ!」
「マシンガンに撃たれなさい」
「グエエ…………」
モイラの両脇に回りこみ、ダニエルとエリーゼ達は、トンプソンとMP28を撃ちまくる。
左右からの交差する連射を受けて、ゾンビ達は十字砲火を浴びてしまった。
「あっちも終わったようだな? なら、俺はっ!」
「うわああっ! 近づくなーー!」
「グワアアッ!? グイッ?」
腰を低くしながら、バスケットコート内を走り、賢一は両手で、ゴボウ銃剣を真っ直ぐ構える。
その先には、白人警官がAK74で、漁師ゾンビを押し返そうとしていた。
「グビイッ!?」
後ろからキックされて、一撃を叩きこまれた漁師ゾンビは、バランスを崩した。
そこで、賢一は倒れた奴を踏みつけながら、ゴボウ銃剣を、後頭部に突き刺す。
「ああ、ありがとう? いや、他の連中も助けてくれっ!」
「分かってるっ! 今、行くぜっ!」
「不味い、押しきられるっ!」
「誰か、こっちに来てっ!」
AK74を近くのゾンビ小隊に向けて、白人警官が撃ちだすと、賢一も次なる敵に目をつける。
彼は、助けを求めるアジア系の警官が、レキシオ357からマグナム弾を撃ちまくるさまを見た。
アラブ系の女性警官も、モスバーグ500から散弾を発射して、ゾンビたちを足留めする。
バスケットコートの金網左側では、彼らが敵に殺られそうになっている。
もちろん、四方からゾンビ達は現れて、他の警察官たちも苦戦に陥っていた。
■ 武器説明。
⭕️ AK74。
命中率が良くて、連射もできるのだが、発射速度が少し遅い。
しかし、弾丸自体の威力は低いが、体内に侵入すると内臓を抉るように弾道が曲がる。
これにより、西側の小口径弾と違い、内臓にダメージを与えて、出血効果を与える事ができた。
だが、後に西側諸国でも同様の弾丸が採用されてしまった。
⭕️ レキシオ357マグナム
第二次世界大戦では、357マグナムを兵士個人が保有しており、日本軍兵士を倒した。
戦後も、狩猟から自衛用に、様々な派生型が販売されている。
44マグナム弾より、正確差と弾速の面では上であり、高い打撃力と貫通力を誇る。
38スペシャル弾と、ほぼ同じ大きさだが、こちらの方が少し弾頭は長い。
そのため、38スペシャル弾を、本銃に装填できるが、逆はできない。
プロケトに普及しているのは、フィリピンと同じく、アルゼンチン製、レキシオ357である。




