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ゾンビの襲撃から民間人を守れ


 賢一たちは、迫りくるゾンビ達を前にしても、動じずに、ピックアップで引き殺して続けていた。


 そうしている内に、やがて上空に飛行機が見えたため、賢一は立派な樹木の陰へと、車を走らせた。



COINコイン機だっ! お前ら、動かないで寝ていろっ!」


「なんだ、それはっ!」


「甘が言ってた飛行機よっ!」


 賢一は、車内で心臓をバクつかせながら、嵐が過ぎ去るように、じっと待ち構えるしかない。


 ジャンとエリーゼ達は、慌てながら荷台で伏せて、死体の振りをした。



「くっ! 機銃掃射してきやがった…………しかし、別の場所か?」


 機種は、いったい何かは分からないが、遠くで連射される機関銃の音が木霊する。


 その間、彼らは見つかることを危惧して、敵機が遠くに消えていくまで身動きできなかった。



「モイラ、ダニエル、メイスー! 無事か? まさか、こんなに早く現れやがるとは…………」


「大丈夫だよっ! こっちも、下に隠れていたからねっ!」 


「生きているぜ?」


「私も大丈夫でした」


 ガソリンスタンドの屋根に、ピックアップを隠していたため、モイラは無事だった。


 ダニエルとメイスー達も、周囲を警戒しながら、車から飛び降りる。



「アレは、イタリアのアエルマッキっぽいわね? 民間機に武装を施したか? プロケト軍のを使ったのかしら?」


「見つかったら蜂の巣だったな…………ああ言うのは、COIN機…………つまり、コインのように小さな軽飛行機や小型飛行機を表した言葉だな」


「なるほどな?」


「あんなのが、飛び回っているのか? ゾンビとギャングの次は、飛行機が敵かよっ!」


 モイラは、遠くに飛んでいく機影を観察して、こちらに来ないようにと願った。


 プロペラ機に、爆弾や機関銃を取り付けた兵器であるCOIN機は、現在でも使用されている。



 これは、一回出撃するだけで、何百万と金のかかる戦闘機よりも値段が安いためだ。


 また、テロリストが民間機を改造して、即席の爆撃機にした事例もある。



 こう言った航空機に対する情報を、賢一は知っているため、渋い顔をしながら説明した。


 ジャンも険しい表情を浮かべるが、ダニエルは悪態を吐きながら、大袈裟に両手を降った。



「グアアアアアア~~!?」


「ギャウウウウウウッ!?」


「あん? ゾンビ達が走ってくるぜっ! ヤベーーーー!」


「急いで、車に隠れるのよっ!」


「あ、まま不味いですっ!」


 走ってくる白人女性と黒人男性ゾンビから、ダニエルは逃げだして、荷台の中に伏せる。


 モイラは、車内に飛び込み、ドアを閉めるとともに、体を縮こませた。



 メイスーも、車体の下に隠れたまま、じっと動かないように身構える。


 そうしていると、道路の反対側にあるピックアップへと、ゾンビ集団は突進していった。



「来たわねっ! もう隠れるしかないわ…………」


「俺は、体が大きいのに? どうやって、隠れたら良いんだよっ!」


「とにかく、隠れるんだっ! この葉隠れの術を使うんだ、忍者みたいになっ!」


「ギャウアアアアアア~~」

 

「ガルルル~~~~!?」


 エリーゼは、ピックアップの陰に隠れて、作業員ゾンビが荷台を飛び越えるさまを見た。


 その後ろから、走ってくる女性警官ゾンビに見つからないうちに、ジャンは繁みに入った。



 賢一も、木陰に貼り付き、呼吸を整えながら、ひたすら群れが去るのを待った。


 やがて、ゾンビ集団は機銃掃射された地点に向かっていき、一匹も居なくなった。



「ふぅ? 飛行機も厄介だが、ゾンビ連中も集まってくるから厄介だな」


「COIN機のエンジン音や機銃掃射が、連中を集めちゃうのね…………」


 賢一とエリーゼ達は、ゾンビが居なくなったため、ピックアップに乗ろうと歩きだした。



「モイラ、また飛行機が来たら? 隠れるようにしよう?」


「賢一、分かってるわっ! できるだけ、空襲は避けたいからねっ!」


 そう言って、賢一とモイラ達は、ピックアップの運転席へと歩いていく。


 こうして、空襲と奇襲を乗り越えた彼らは、再び静かな街中を、車両に乗って進んでいった。



「はあ~~? 後ろは何もないな? 真上からも、来ないな?」


「屋上、上空に敵なしよ?」


「後ろからも奇襲はない…………」


 ゾンビが残っていないか辺りを見回すと、賢一はピックアップに乗り込んだ。


 エリーゼとジャン達も、周囲を見渡して、敵が隠れてないかと目を凝らす。



 そうして、安全確認すると、三人が乗った車両は漁港を目指して動きだした。


 モイラ達も、あとに続きながら暫くは、ゾンビ達を引き殺しながら道路を進んでいった。




「ジュアアアアアアッ!?」


「ギャウウーー!?」


「ギアアア~~~~!?」


「ガルルルルウウッ!?」


「ゾンビが来たぞっ!」


「撃ちまくるのよっ!」


 ゾンビの寄生が聞こえるとともに、生存者による自動小銃や拳銃などを発砲する音が木霊した。


 どうやら、十字路の右側で、両者による激しい戦闘が発生したようだ。



「銃撃戦っ!? それに、ゾンビだとっ!!」


「私たちも、使うしか無いわよっ!」


「この距離ならば、撃つしかないか」


 さっきの群れと違い、ゾンビ達は大集団で走ってきている事が伺えた。


 何故なら、声の大きさや足音が大きく、こちらにまで響いてくるからだ。



 賢一は、ピックアップを右折させて、正面の戦いに参加するべく、すぐにドアを開けた。


 エリーゼは、MP28を乱射しながら走りだし、ジャンも一番形拳銃を握りながら突撃する。



「援軍だっ! 援護してやるっ! ゾンビの群れは任せろっ!」


「ギュアアアッ!! ギョエッ!?」


「ギャアアーー!! グウ…………」


「ガギヒッ!」


「グホォォォォ?」


「な? 誰かが助けに来たのか?」


「喋ってたら、押し負けるわっ! 撃ちまくるのよっ!」


 十四年式拳銃を持ち、ゾンビ達に何発もの弾を浴びせながら、賢一は走っていく。


 赤ビキニを着ているアジア系の女性ゾンビは、胸を撃たれて倒れ込む。



 黒ビキニの白人女性ゾンビが、脇腹を撃たれると、作業員ゾンビにも貫通してしまった。


 奴らの死体を乗り越えてくるロングバールを持っているウォーリアーは、眉間に風穴が空いた。



 道路を突進していく、ゾンビの大集団は、右側にある広場に向かうが、横から銃撃を浴びる。


 拳銃や短機関銃の弾丸に当たり、死んでいく連中を見て、男性生存者は驚いたようだ。



 しかし、女性生存者は気を抜かないで、自動小銃から、ライフル弾を撃ちまくっている。



「ガルルルルッ!?」


「グルルルルーー!!」


「ギャアア~~~~」


「こっちに来やがったぜ」


「賢一、私たちも援護しているうちに、走っていって」


「ここは、任せろっ!!」


 群れは、二手に別れて、こちら側にも突撃してきたため、賢一は十四年式拳銃を撃ち続ける。


 MP28を連射しながら、エリーゼは弾幕を張って、こっちに向かってくる群れを向かえうつ。



 ジャンも、両手に握る一番形拳銃を発砲して、何体かのゾンビを倒した。


 そうこうしている内に、他の三人からも援護射撃が開始された。



「ギャイイイイーー!! ギャギャギャギャッ!?」


「ウアア~~~~! ウエ…………ウア?」


「アンタ等は、前に行きなっ!? はやく、生存者と合流するんだよっ!」


「私たちも援護するのでっ!」


「オラオラ、オラオラッ! こっちに来やがれっ!」


「助かったぞ、お前らっ!」


 真正面から向かってくる群れに向かって、モイラはヘンリー小銃を乱射しまくる。


 ハープーンを持っている漁師姿のウォーリアーは、それに撃たれた。


 その後ろから現れた黄緑ビキニ姿をした黒人女性フレッシャーも、頭を撃ち抜かれた。



 メイスーは、26年式拳銃を撃ちまくり、水産職員ゾンビを倒して、籠からウニを溢れさせる。


 トンプソンを連射しながら、ダニエルは突撃してくる敵の群れを足留めしようとした。



 彼らの援護を受けながら、賢一は走って、十四年式拳銃を発砲し続けた。



 そうして、彼はバスケットコートの金網中央にある入口へと向かう、ゾンビ集団を攻撃し続けた。


 ■ ビークル説明。 



 ⭕️ アエルマッキ。



 アエルマッキSFー260は、イタリアのアレーニア・アエルマッキが製造する軽飛行機である。


 曲芸飛行機や練習機として、軍民を問わず採用されており、現在も製造が続いている。

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