表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/109

仕事を終えたら


 賢一とダニエル達は、収納ボックスを、武器商人の場所まで、持っていく。


 廊下の左側へ行くと、広い会議室みたいな部屋で、黒人男性が、赤い風呂敷を広げていた。



 そこには、さまざまな拳銃や自動小銃、それに刀剣類や打撃武器などが、ズラリと並べられている。


 もちろん、弾薬箱や弾倉なども綺麗に整列されており、品揃えは豊富だ。



「いらっしゃい? アンタらが軍隊を助けている連中だな? 話は聞いているよ、欲しい弾を言ってくれ」


「欲しいのは? スカンジウムの38口径弾、AR用のライフル弾、レバーアクションライフル用の弾、26年式拳銃弾、一番形拳銃の44弾…………だな」


「コルト45の予備マガジンも頼むわっ! 弾はあるけど、装填するためのマガジンが足りないからねっ!」


 黒人店主は、愛想よく笑顔を向けながら話しかけてくると、賢一は武器を眺めながら弾を要求する。


 並べられている武器弾薬を眺めつつ、モイラは自分が欲しい物を指差した。



「分かったぞ、好きなだけ持っていってくれ? 金は軍が払ってくれるからな…………他に欲しい物は?」


「あとは、弾以外に使わない武器を、現金と交換してくれ」


 黒人店主から必要な分だけ、弾倉と弾薬を購入したので、賢一は次に武器を売却しようとした。



「スーパーポーズド、CF98、トカレフ、トンプソン、M1917リボルバー、十四年式拳銃、ミニM14…………全部売却したい」


「トカレフ、トンプソンはギャング達の弾が余っているからな? 武器だけは売っちまおう」


「スーパーポーズド…………この上下二連散弾銃も、散弾だけは残して売るか? メイスー、使わないよな?」


「はいっ! パイプガンの方が小さいし、軽いので」


 必要のない武器を、賢一は収納ボックスから取り出して、黒人店主に次々と手渡す。


 ダニエルも同じく、風呂敷の上に滷獲した物品を置いたあと、代わりに購入した品物を入れていく。



 スーパーポーズドを眺めたあと、ジャンは使うかどうか、メイスーの方を振り向いて、たずねた。


 すると、彼女はパイプガンを腰から取り出し、両手で握って見せた。



「おお? よく見かける武器ばかりだな? 特に安いから、CF98はギャングから一般人まで使っている」


 色々な武器を見せられた黒人店主は、CF98を見ながら語りだす。



「これは、ドイツ製ピストルH&K、USPに似ているが? まあ、この地域ではアメリカ向けのNP42型も普及しているからな…………」


 そう言うのが、CF98を眺める黒人店主は、ゆっくりと弾倉を取りだす。



「そうか…………じゃあ、売らないで持っておくか? それから、十四年式拳銃などは贋作だろう? アメリカ製の銃器は払い下げで、民間に売り出されたりしているが、日本軍の銃器は珍しいはずだ」


「おっしゃる通り、コレクターを騙す密売人や武器職人が存在しましてねぇ? ただ、本物より性能は高いから、みんな満足しているらしいのですが」


 なぜ、こうも簡単に十四年式拳銃や26年式拳銃が入手できるのだろうか。


 賢一は、疑問を解決するべく、この地域の銃器に詳しいであろう黒人店主に質問してみた。



「やっぱりな?」


「それから、お客さん? あのスカンジウムは、38口径弾だけでなく、強力な357マグナム弾も使えますよ? 弾薬の長さが違うだけですから? 買っていきますか」


「…………じゃあ、それも追加購入ね」


 短く答えた賢一に、黒人店主が武器に関する説明を行いマグナム弾を見せる。


 すると、エリーゼは必要だと感じたのか、相変わらず表情を変えずに即決した。



「エリーゼ? 分かった…………これで、取引は終わりだ…………また来るかも知れないから、その時は宜しくな」


「それじゃ、さようなら」


 そう言って、賢一は黒人店主に別れを告げると、CF92をポケットに仕舞った。



「ダニエル? 誰に、この箱は渡せばいいんだ?」


「知るかよ? 取り敢えず、買った弾薬箱をピックアップに持っていこう」


 収納ボックスを持ち上げて、賢一はダニエルとともに、会議室のような部屋から出ていく。



「だな? おっ! アンタら、それを貸してくれないか」


「なんだ…………」


「誰だ、君たちは?」


 重たい収納ボックスを持ち上げるのが、嫌になった賢一は、都合よく使える物を見つけた。


 それは、白人警察官と黒人警察官たちが、動している作業用カートだった。



「済まないが、それを貸してくれないか? それから、収納ボックスも後で返さないと成らないが、何処に返せば良いんだ?」


「必要なら貸してやる」


「ここから反対にある廊下の奥に行け、そこが物質集積所だから、カートとともに返しといてくれ」


 賢一の頼みを聞いて、白人警察官と黒人警察官たちは、すぐに快諾かいだくしてくれた。



「済まないっ! ダニエル、置くぞ」


「へいへい」


 こうして、二人から作業カートを借りて、賢一とダニエル達は、ピックアップまで戻ろうとする。


 その後、彼らは武器を運び終えて、皆で話し合いをする事となった。



「よし~~! 元の収納ボックスに入れ換え終わった」


「これから、どうしましょう?」


 武器を仕舞ったあと、賢一は荷台の上で、天を仰ぎながら背筋を伸ばした。


 そんな彼に対して、メイスーは困惑した表情をしながら、質問してきた。



「ふむ…………ここは安全区域らしいな? 俺はカートを戻してくるけど、皆は待っているか?」


「どうかしら? 私は、ご飯が食べたいから、レストランか? 配給所に行きたいけど?」


「ふああーー! と言うか、どっかに晩飯が食える場所は無いのかよ?」


「腹が減っては、何もできない」


「皆が、そう言うなら、私は晩飯に賛成するわよ」


「私も…………です?」


 作業用カートを押しながら、賢一は仲間たちに、次の行動は何をするかと聞いてみた。


 表情を変えないエリーゼは、両手で腹を擦り、ダニエルは一仕事を終えたと思って、欠伸アクビをする。



 両腕を組ながら、モイラは、ピックアップの鉄板に背中を預ける。


 首を左右に振って、仲間たちの顔色を伺いながら、メイスーも同意した。



「はあ~~分かった? これが終わったら、レストランを探そ…………」


 と、賢一が言った時、漁協の中から段ボール箱を抱える二人組が現れた。



「何で、俺たちまで仕事をしなければ成らないんだ? これなら外で略奪してた方が」


「アホかっ! 外は、ゾンビが蟻のように出歩いているっ! それに、俺たちと同じようなチンピラだらけなんだぞ」


 白人生存者は、文句を言いながらも、箱を両手で保持しながら、歩いている。


 その後ろを、アラブ系と思われる頭に、赤いシュマグを被る男性が続く。



「なあ? これを貸そうか? その代わり、終わったら、漁協事務所内の左側にある物資集積所に、カートと収納ボックスを戻してくれ」


「んあ? それは有り難いが」


「だったら、早く寄越してくれ」


 面倒な仕事を頼むとともに、重たい荷物を運ぶ彼らを助けようとして、賢一は一石二鳥だと思う。


 その話を聞いて、白人生存者とアラブ系の生存者たちは、作業用カートに段ボール箱を載せていく。



「それから、飯を喰いたいんだが?」


「漁協から左側のビルを超えると、コンビニや飯屋がある」


「それ以外にも、まだ色々あるぞっ! 取り敢えず、行ってみるといい」


 今度は、賢一が飲食店の場所を聞いて見ると、二人は指差しながら目的地を教えてくれた。



「ああ、行ってみるよ、じゃあなっ!!」


 元気よく返事すると、賢一たちは、二人が教えてくれた方向に歩いていった。


 こうして、彼らは商店街が連なる道路へと向かって、進むことと成った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ