三つの勢力が争って
賢一たちは、ギャング部隊から逃げおおせたが、今度はゾンビ集団に囲まれつつあった。
そこで、彼はM35小型トラックに乗り込み、ここから仲間たちとともに離れようとした。
「周りに展開しろっ! 急げっ!」
「奴らを生きて返すなっ!」
「ゾンビは、俺たちがやるっ!」
「囮になるから、連中は任せろっ!」
そこに、ピックアップが二台も現れて、ギャング達が、一斉に動きだす。
ドアを開けたり、荷台から飛び下りたりと、連中は車体を盾にしながら銃撃してきた。
「あっ! ヤバいっ!? 撃たれるぞっ!」
「不味いわねっ!」
賢一とモイラ達は、左右に別れて、ひたすら銃弾を回避しながら走ってゆく。
そして、二人とも、ハンヴィーや乗用車を盾にして、すばやく身を隠した。
「あそこだっ! 狙えっ!」
「とにかく、撃ちまくれっ!」
「ゾンビが来たなっ!」
「コイツらの相手は、俺がしてやる」
トカレフを、東アジア系のギャングは乱射しまくり、ゾンビや賢一たちを見境なく攻撃する。
黒人ギャングは、ミニM14を連射しまくり、M35小型トラックから金属音を鳴らす。
ピックアップの後方に走っていく、白人ギャングは、ゾンビ達を相手に、スコップを振るう。
太平洋系ギャングは、ヌンチャクを振りまくり、敵を近づけまいと、必死で暴れまわる。
「く、敵の銃撃かよっ! しかも、こっちだって、ゾンビを相手にしなければ成らないのにっ!」
M35小型トラックの陰で、敵や仲間たちを、賢一は確認しようとした。
モイラは、右側にある白い自動車に隠れながら、撃ち返そうとして、隙を伺っている。
「うわっ! 前からの銃撃が、ヤバいっ! もうすぐ、俺の銃は弾切れになるっ! どうするよ?」
「なら、私たちはゾンビを相手にするだけよっ!」
「ああっ! お前らは、後ろから来る連中を頼むっ! 俺が奴らを惹きつけるっ!!」
ダニエルとエリーゼ達は、M35小型トラックの陰まで、銃弾やゾンビ達から逃げてきた。
賢一は、彼らから注意を剃らすため、ピックアップの後ろに隠れるギャング達を狙う。
「もうすぐ、弾がなくなるわ…………」
「俺たちは、散弾銃くらいしか持ってないぞ」
「私のも、あと僅かです…………」
自動車の方でも、モイラが立ち上がり、コルト45で、ギャング達に弾丸を喰らわせようとする。
その向こう側にある、赤い軽自動車では、メイスーとジャン達が、ひたすら銃撃に耐えていた。
「ウエアア?」
「ギャアア」
「ウアアアア~~!?」
「グオオオオーーーー」
「死に晒せっ!」
「ぶっ殺すっ!」
当然だが、建物や左右から、ゾンビ達もゾロゾロ大量に歩いてくる。
もちろん、その群れには、フレッシャー&ジャンピンガー達も、何体か混じっている。
前からも、左側のピックアップから、ラテン系ギャングは、トンプソンを乱射する。
M1ガーランドを、東南アジア系ギャングは、単発連射して、自動車のタイヤを撃ち抜いた。
「不味いな…………このままでは、逃げられないっ? はっ! 見覚えのある連中が来たなっ!」
「うわっ? ナイフに持ち変える暇もねええっ!」
「それでも、一撃を叩き込むしかないわっ!」
「アアアアアアァァ~~~~」
「グルアアーーーー!!」
「ギュアア~~!?」
「ウオォォォォ~~~~!!!!」
すばやく、AR15を構えて、走ってくるフレッシャー達へ向けて、賢一は単発連射を加えていく。
それに混じり、大勢のゾンビ達も、群れになって、小走りで突撃してくる。
もちろん、コイツらは、さっきまで死んでいたはずのギャング達が、転化した感染者だ。
一気に、倉庫の方から、ジャンピンガーが物凄い勢いで、ジャンプしながら近づいてきた。
そのため、ダニエルは咄嗟にトンプソンを振るい、ストックで相手を殴る。
エリーゼは、ハチェットを両手に握りしめ、トカレフを撃ってくる、拳銃ゾンビを警戒する。
何発か奴が、発砲しながら近寄るが、デタラメに撃ったため、弾は彼女に一発も当たらなかった。
「グワッ?」
「ウ?」
「近づいてくるなっ! く、どうすれば良いんだ」
何発も発射されてゆく、ライフル弾は、フレッシャーを貫通して、後ろのゾンビにも当たる。
それで、死ぬ奴も居れば、そのまま突っ込んでくるゾンビ達も存在する。
賢一は、ひたすら突撃を繰り返す連中を前に、手や額などから、たらりと汗を流す。
止まらぬ死の軍勢と、背後から浴びせられる猛攻撃に対して、彼は恐怖を感じてしまう。
「不味いぜ、両側から惜しきられちまうっ!」
「賢一? 向こうも、同じようだよっ? ゾンビに押され始めたわっ!」
「奴ら、焦ってやがるな」
「私たちも、このままじゃ食べられちゃいますよっ!」
AR15のマガジンを取り換えながら、賢一は愚痴り、冷や汗を滴しつつ、背中を濡らしてしまう。
そんな中、モイラは何発か拳銃弾を撃ったあと、すぐに自動車の陰へと身を隠す。
彼女は、ギャング達の攻撃が減り始めたため、様子が、おかしい事に気づいた。
モスバーグ500を撃つ度に、ポンプを引きながら、ジャンは体を軽自動車へと引っ込める。
メイスーも、丸ノコを近くの作業員ゾンビに向かって、まっすぐ縦に投げた。
「ギュアア、アアアア~~!!」
「ウオオォォォォーーーー!!」
「ダメよっ! 弓矢では、敵を止められないわっ!」
「そっちも、撃ちまくるしかないっ!」
ミニボウから、何回も矢を放ち、アジア系女性ギャングは、ゾンビ達が迫るのを阻止しようとする。
それにより、足を撃たれた者は、動きが遅くなり、ノロノロと歩く事しかできなくなった。
M1917リボルバーを両手で撃ちまくり、アラブ系ギャングは、フレッシャー達を怯ませる。
45口径弾を、体内に喰らわされた者たちは、物凄い衝撃を受けたため、一瞬だけ止まったワケだ。
「ん? 確かに奴らも、ゾンビと戦っている…………? モイラッ! こっちのゾンビ達は任せたぞっ! 援護するから、少し後から右側にある車に向かってくれっ! 左右から、ギャングを挟み撃ちにするっ!」
「分かったよっ! さっさと、行ってくれっ! コイツらは私たちが、何とかするからさっ!」
賢一の声を聞きながら、モイラは確実にゾンビを仕留めるため、一発ずつコルト45を撃つ。
元ギャングのゾンビ、兵士ゾンビ、作業員ゾンビ達は、彼女へと小走りで向かってくる。
「ダニエル、エリーゼッ! 俺が敵の注意を惹きつけるっ! 二人は後から突撃してくれっ!」
「ちょっ! 待てよっ! 俺たちは、何処に走って行けば良いんだよっ!!」
「覚悟を決めなさいっ! 私たちも走るわよっ!」
走りながら、賢一は適当に、AR15を撃ちまくり、ピックアップの手前左側に向かっていく。
そこには、血塗れになっており、さらに破壊された業務用バンと、多数の死体があった。
ダニエルは、めちゃくちゃ焦りまくり、近づいてくるゾンビの群れを蹴りとばす。
ハチェットを、真上から振り下ろし、エリーゼは作業員ゾンビの右肩を、スパッと切り落とした。
向かってくる、ゾンビ&フレッシャー達は、さっきの戦闘で、ギャング連中が転化したのも混じる。
「俺が、奴らを惹き付ければ…………勝機はあるっ!」
業務用バンの後部から、賢一はAR15を構えて、ピックアップを標的にして、弾を撃ちまくる。
「うぎゃっ! う、撃たれっ! う、うわああっ!」
「グオオオオ~~」
「グルアーー!!」
「ぐぼおおっ! し、しし死にたくない…………」
「ギャ~~~~」
「ギギィィーーーー!!」
左側のピックアップで、動き回ったり、車体に身を隠すギャング達は、銃弾を受けてしまう。
M1917リボルバーを、ゾンビ達に撃っている、アラブ系ギャングは、右肩を撃ち抜かれた。
すると、フレッシャー達が、傷口を押さえる奴から漂う、血の匂いを嗅いだらしく興奮する。
そして、近くまで走ってくると、飛びかかりながら、体に噛みついた。
荷台の裏で、黒人ギャングは、ミニM14を落としながら苦しそうに倒れた。
そして、吐血してから動かなくなったが、そこに、ジャンピンガー達が襲いかかってきた。
こうして、ギャング連中・賢一たち・ゾンビ集団による三つ巴の戦いは続いた。
■ 武器説明。
⭕️ M1917リボルバー。
コルト社とS&W社により、作られた回転式拳銃であり、第一次世界大戦で使われた。
続く、第二次世界大戦でも、機関銃手の相方である弾薬手たちが、自衛用に装備した。




