ギャング達を避けて
ギャング達は、廊下を塞ぐように置いてある赤いソファーに座って、こちらに背中を向けている。
「はあ、ビールの前に一服、吸うか?」
「だな? やってらんね~~ぜっ!」
アジア系のギャングは、煙草に火をつけ始め、白人ギャングも飴玉を舐め始める。
そんな二人を睨みながら、密かに賢一たちは足音を立てずに移動していた。
「この野郎…………ん?」
賢一は、ゴボウ銃剣の切っ先を、二人に向けたが、それを後ろから誰かが制した。
「賢一、ここは俺に任せろ」
「私も投げますっ!」
「ぎゃっ!?」
「な、うわっ! うぐぅぅ」
ペティナイフを投げて、ジャンは白人ギャングの後頭部に、小さな刃を突き刺す。
メイスーも、丸ノコを回転させながら投げて、振り向いた太平洋系のギャングに当てた。
「首を切り裂いたな…………? 二人とも、助かったぜ」
「はい、先に進みましょう」
「これは、回収していこうか」
「こっちは持つわ、はやく行くのよ」
賢一は、赤いソファーを飛び越えて、死体を引き摺ろとすると、メイスーが手伝ってくれた。
ジャンも、後頭部からペティナイフを引きぬくと、向こう側からエリーゼが両足を掴んだ。
「コイツらは、このテーブルの下に隠しておこう」
「ここしか、隠す場所が有りませんからね」
隣の部屋に入った賢一は、黒いソファーに挟まれるように設置された黒テーブルに目をむけた。
そして、メイスー達とともに、死体を下に押し込みながら隠した。
「このまま、ここから出る? ちょうど、廊下の突き当たりだ? 窓が空いている…………また、見張りが立っているな、面倒だが行くしかない」
賢一は、窓から顔を出して、この右側が十字路になっていることを確認した。
そして、見張りが居ないことを確認した彼は、向かい側の家電屋に走っていった。
「モイラ、ジャン、今だ…………こいっ!」
「今、いくよ」
「敵に気づかれないように祈るか」
店の窓から、賢一が手を振ると、モイラは素早く走ってきて、ジャンは十字を切ってから動きだす。
「ふぅ? 見つからなかったね?」
「大丈夫だったな」
「ああ、次は? メイスー、ダニエル、エリーゼの番だ…………」
窓から中に入り込むと、モイラとジャン達は、無事に家電屋にたどり着いた。
賢一は、また手を振って、残る仲間たちに走ってくるように指示を出した。
「待って…………敵が、家電屋の向かいのパン屋に居るわ」
「あっ! しかも、二人もだぜ…………厄介だなーー!」
「任せて、くださいっ! 私の弓でっ!」
エリーゼが指差すと、パン屋の屋上を指差すと、そこには見張りが立っていた。
ダニエルが睨みながら悩んでいると、メイスーは両手で、ミニボウを構える。
「こっちから音がしたんだ?」
「本当か? ゾンビや私兵は見当たらないが…………うっ!」
黒人ギャングは、隣の店や道路を眺めて、白人ギャングは公園側に目をむける。
「どうし? うわっ! て、てきぃぃ…………」
倒れた白人ギャングの首には、弓矢が刺さっており、それを見て、黒人ギャングは叫ぼうとした。
だが、奴の側頭部にも矢が深々と突き刺さり、白眼を剥いたまま、床に崩れ落ちてしまった。
「今だっ! メイスー、エリーゼ、行くぜっ!」
「急かさないで」
「矢が、もったいないけど、行くしかないですね」
ダニエルは走りながら、向かい側の店まで、無事にたどり着いた。
エリーゼとメイスー達も、素早く動いて、公園に潜むギャング達に見つからないで済んだ。
「お前ら、この先にも居るからな?」
「まだ、居るのかよ…………」
賢一の言葉を聞いて、ダニエルは肩から力を抜きながら、文句を垂れる。
「まあ、後もう少しだっ!」
「だったら、いいんだがな?」
「ん? 誰か、そこに居るのかっ!!」
「出てこいっ! 貴様ら、撃つぞっ!」
賢一とダニエル達が、家電屋から出て、路地に入ってから、再びラーメン屋に入り込む。
しかし、道路に立っていた白人ギャングと黒人ギャング達は、彼らの姿に気がついた。
「出てこいと言ってるだろっ!」
「はやく、しやがれっ!」
「まあまあ、怒るなよ? 仲間だろ?」
白人ギャングは、グリースガンを持ち、黒人ギャングはM1ガーランドを両手で握る。
そんな連中を前に、ダニエルは笑顔で立ち上がり、窓から姿を現した。
「メイスー、ジャン、お前らの無音武器が頼りだ」
「ああ、ここは俺が引き付けるから頼むぜ…………」
「分かりました」
「任せろ、玄を引くからなっ!」
窓の下で、賢一はCF98を握りしめながら、壁に背中を、くっつけながら呟く。
ダニエルも、ギャング達と対峙しながら小さな声で、仲間たちに攻撃するように促す。
メイスーは、ミニボウを横にして、玄を引っ張りながら立ち上がる準備をする。
同じく、ジャンもクロスボウを構えたまま、いつでも飛び出せるように呼吸を整える。
「なんだ、貴様は?」
「仲間だと?」
「聞いてねぇのか? 俺は…………メイスー、ジャン、頼むぜっ!」
「死ねっ!」
「死んで下さい」
白人ギャングと黒人ギャング達は、ダニエルを睨みながら、その発言を怪しむ。
だが、彼の風貌から判断するに、確かに同じギャング仲間にも見える。
その一瞬が命取りになり、メイスーとジャン達が立ち上がると同時に、矢を放った。
二人の姿を見えた時、眉間や喉などを炒られた連中は、力なく道路に倒れていく。
「あ…………」
「ぐわあっ!?」
白人ギャングは道路に倒れたが、黒人ギャングはグリースガンを連射しながら死んだ。
それにより、乾いた銃声が響きわたり、周辺の敵が、一斉に動き出した。
「敵が襲撃してきたぞっ! あっちだーー!」
「テクニカルを走らせろっ!」
公園の方が、騒々しくなり、ギャング達が走ってきたり、屋上から銃を向けてきた。
「不味いな…………敵が、やってくるっ!」
「どうしようかしら? いや、下手に動かない方が良さそうだわっ! みんな伏せてて」
賢一は、AR15を両手に持ちながら、ギャング達が向かってくる足音を聞いた。
モイラも同じように、敵がくるまで待ち構えようとしたが、彼女の耳に反対からも騒音が聞こえた。
「あそこだっ! 仲間が死んでいるぞ」
「撃たれたようだっ! まだ、敵は近くに潜んでいる」
「何処だっ! 出てこいっ!」
「オラ、オラ、そこかっ!」
白人ギャングは、右手にウージーを握りしめながら、左手で路上に転がる死体を指差した。
黒人ギャングも、周辺を警戒して、M1カービンを左右に振っては敵を探す。
二連散弾銃ダブルバレルで、レンガ壁を撃ちながら、太平洋系のギャングは怒鳴り散らす。
AK47を道路に乱射しまくり、アジア系のギャングは、周りを睨む。
「ガアーーーー!?」
「グルア~~~~」
「ギャアア」
「グルア~~~~!?」
アホなギャング達が、銃を乱射したせいで、ゾンビ達が集まってきた。
白人フレッシャーと黒人フレッシャー達が、ものすごい勢いで突撃してくる。
アジア系ジャンピンガーが、屋根から屋上へと跳び跳ねては、段々と近づいてきた。
ハープーンを構える太平洋系ウォーリアーは、ひたすら獲物にむかって突進する。
「うぎゃああっ! さっ! 刺されたーー!?」
「撃ち殺せ、う、うわあっ!?」
「下がるぞっ!?」
「間に合わないっ! こっちに行くしかないっ!」
白人ギャングは、ウージーを乱射しながら、ゾンビの群れを押し留めようとした。
ダブルバレルで、太平洋系のギャングも、フレッシャー達を撃つが、勢いを止められなず餌になる。
踵を返して、アジア系のギャングは、仲間たちが向かってくる公園に走っていった。
路地にあるパイプを掴んで、黒人ギャングも、屋上に逃げようとする。
こうして、ゾンビの走る音や銃声などが響き渡りながら、ここは戦場と化した。
■ 武器説明。
⭕️ 二連散弾銃ダブルバレル
一度に、二発しか撃てないが、散弾の散布範囲が広くて便利である。
また、素早い装填も行えるため、大勢の敵を相手にした時、真価を発揮するだろう。
⭕️ AK47。
弾丸の威力が高くて、近距離では弾がバラけるが、それ故に連射速度は速い。
ロシア製・北朝鮮製・中国製など、様々な物が混在する。




