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ギャングの拠点へ潜入中~~


 ジャン達が、傾いたピックアップを眺めながら唖然と立ち尽くしている。



「コイツは、無事だったね…………はあ? M4カービンの弾を使い果たしたわ」


 モイラは、疲れはてた顔で、荷台の中からM1ガーランドを取り出した。



「弾なら、入手できるかも知れない? ギャングと兵士っぽい連中の死体があるからな」


「そうだね、面倒だけど集めましょう…………」


 散乱する大量の死体を見詰めながら、賢一とモイラ達は、近くに転がる亡骸に歩いていった。


 それから、彼らは弾帯の中から弾倉を取り出したり、そこから弾だけを抜き取ったりした。



「俺たちの使っているライフルは、弾倉が結構あったな」


「ええっ! M4、AR系は西側軍隊の標準装備だからね」


 兵士や警備員など、銃器を扱っていたゾンビ達からは、簡単に弾倉が取れた。



「ダニエル、ジャン? まだ掛かるか? なら見張りを…………」


「済まない、終わった」


「俺のもだぜ」


 ジャンは、防弾マッスラーからM14の弾倉を見つけだし、大口径NATO弾を抜き取っていた。


 ダニエルも、そこら辺に転がる死体から45口径弾を入手して、自分の胸ポケットに容れる。



「なら、行こうか? ゾンビが再び集まってくる前にな」


「危険な場所からは、はやく離れたいですからねっ!」


「フッ! 行くのね…………」


 賢一が歩きだすと、メイスーもオロオロと不安そうな表情で、その背中を追っていく。


 エリーゼは、見張りに立っていたが、ワゴン車の上から飛び降りた。



「だな、メイスー」


 こうして、賢一たちは前に向かって歩いていき、破壊された車が並ぶ、道路から離れていった。



「はあ? …………お前ら、銃弾は残っているか? あったとしても、戦闘は避けたいよな」


「なるべく、ステルス移動するわよ? 変な連中には近寄らないことね」


「そんな事、言ったってな~~向こうから攻撃してきたら、どうするんだ?」


「その時は、その時よ」


 賢一は、両手でCF98を構えながら歩いていき、モイラはマチェットを肩に担ぐ。


 ダニエルは、シャドーボクシングしながら進み、エリーゼは後ろを警戒する。



「ああ、その時はハリガンバーで、敵の頭を潰す」


「弓矢なども、使った方が…………敵ですっ! どうしましょうっ!」


 モスバーグ500に装填されている赤い散弾を確かめながら、ジャンは歩く。


 一方、メイスーは無音武器を使いたいとミニボウを取り出した時、何か異変に感づいた。



「ああ? メイスー、聞こえないぞ」


「いや、あっちだね」


 賢一の耳には、何も聞こえなかったが、メイスーを信用して、一応は身構える。


 すると、バンバンッと何らかの銃器を撃つ音が聞こえたため、モイラは走っていく。



「こっちだわ、はやく来てっ!」


「わっ! 待てよ」


 モイラは、T字路の右側に走っていくと、そこで立ち止まり、左側に見える自然公園を眺めた。


 そこには、幾つかの木々が生えた場所に、ギャング達が集まっている。



 車両は、ピックアップも何台か停まっており、一台だけ、ハンヴィーも見えた。


 しかも、木々はツリーハウスみたいに、即席の足場が組まれて、狙撃手が立っていた。



「さっきの銃撃で、弾を消費したな? 商人でも襲うか?」


「生存者や警備員の拠点も、潰そうぜ」


「コイツらは生存者だ? 拳銃に煙草を持ってやがる? 私兵や狩猟者だったら厄介だったな」


「女も撃ち殺したのか? つまんねぇな~~」


 公園の中では、塹壕や柵を立てて、ゾンビ達が近寄れないように、ギャング連中が陣を敷いている。


 そこでは、煙草を蒸かしながら、ラテン系のギャングと白人ギャング達が、歩いている。



 道路では、ワゴン車が停車しており、割れた窓ガラスには真っ赤な血液が付着していた。


 白人ギャングが、車から死体を引き摺り下ろし、黒人ギャングは車内を物色する。



「連中、民間人を殺したんだね? 報いを受けさせたいけど、ダメだわ? ざっと数えただけでも、二十人は居る」


「周りの建物にも、隠れてやがるな? ここは、この建物に入ろう…………匍匐ほふくしながら進むしかない」


 公園に、ギャング達は塹壕線を掘って、強固な防御陣地を作っている。


 そこを歩く連中を、モイラは険しい表情で睨み、曲がり角から様子を伺う。



 賢一も、同じ場所から周りの建物を見て、窓からライフルを構えるギャングを警戒する。


 ここの区域は、彼らのテリトリーらしく、圧倒的な戦力差から、戦闘は避けるしかなかった。



「全員、キルするのは無理なのかよ? あの連中の仇を討って、やりたいぜっ!」


「流石に、私たちだけでは数で負けてしまいます」


 義憤に燃えるダニエルは、トンプソンを握りしめるが、やはり下手に立ち向かうことはできない。


 ギャング連中を、メイスーは怖がりながら、ミニボウを両手で、ギュッと握りしめる。



「とにかく、この建物に入るっ!」


 賢一が、建物の開かれた窓から侵入すると、そこには長い廊下があった。



「ふああ…………詰まんないぜ」


「見回りなんて、止めたいぜ」


 いきなり、ラテン系のギャングが、右側にある部屋から出てきて、廊下を歩きだした。


 その後に、黒人ギャングが続き、二人は呑気に会話しながら奥に向かっていく。



「危なかった…………みんな、着いてこい」


「私たちが先に行くわ…………」


 ギャング達の背中を眺めながら、賢一は小さな声で、仲間たちを呼ぶ。


 本当は、手を振るだけで意思を伝えたいのだが、ダニエルやメイスー達は民間人だ。



 だから仕方なく、彼らに声をかけながら自らは、ギャング達から離れて、部屋に入っていった。


 部屋の中は、事務机が中心に並べてあり、誰も見張りに立ってはいなかった。



「よし、このまま抜けるぞ…………」


「ええ、行くわよ…………」


 賢一とモイラたちは、開かれたドアの両側に立ち、見張りが歩いてくる音を聞く。



「つまらないな? ゾンビの襲撃でもありゃ、面白いのになっ! う…………」


「おいおい、縁起の悪いことを言うなよ? ん、グエッ!!」


 ラテン系のギャングは、マチェットを肩に担ぎながら歩くが、後頭部をゴボウ銃剣で貫かれた。


 太平洋系のギャングも、右手にトカレフを握っていたが、首を多用途銃剣で掻き斬られた。



「死体を隠しておこう? この棚は…………ゾンビが攻めてきた時の防御用か?」


「どのみち、次の部屋に入るしかないわ」


 大きな棚が通路を塞いでいたため、賢一とモイラたちは、部屋の中に死体を引き摺っていく。


 そして、オフィス内の清掃ロッカーに連中を立たせたまま蓋を閉じる。



「ふぅ~~お前ら、大丈夫か? 向こうの廊下は?」


「あっちの廊下は、誰も居ないようだけど…………」


「向こうのは、歩いてやがる? 今、すれ違ったから、四人は見えた」


「あっちの方に向かいましょう、少しでも敵の居ない方が楽です」


 今度の部屋も、中央に事務机が並んでおり、そこに隠れながら、賢一は仲間たちと話す。


 モイラは、棚で塞がれていた廊下側に出る開かれたドアを鋭い目付きで睨む。



 廊下を歩いていく足音と四人のギャング達を眺めて、ダニエルはボロナイフを両手で握りしめる。


 メイスーも、はやく移動したいと言って、ブルブルと震えながら、丸ノコを握り締めた。



「よし、なら行こうか」


「みんな、着いてきて」


 取り敢えず、棚で塞がれていた廊下の反対側へと、賢一とモイラ達は向かう。


 その先では、ギャング達が赤いソファーを運び終えた姿が見えた。

 


「これは、どこに持っていくんだ? つぎは、あっちの棚も廊下の端に持ってけと言うが? これで、ゾンビを防げるのか?」


「さあな…………まあ、はやく終わらせて、ビールでも飲みに行こうや」


 ギャング達は、廊下を塞ぐように赤いソファーを置いたあと、一休みするために、そこに腰かけた。

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