#7 兄が優勝したそうです
戸茂川です。
今回もお楽しみください。
感想お待ちしています。
その日。スマホを見ると、
「藍葉 翔 2度目の優勝―――」
というニュース記事が目に飛び込んできた。
「はぁ...」
楓はため息を付いた。翔は楓の兄で、仲が悪い。
なんだかモヤモヤする気持ちを抱えながら、布団に入った。
✦・ーーー ・✦
次の日、学校でクラスメイトから、
「おい、お前の兄ちゃんエース杯優勝してたぞ、見たか?」
「知ってる。私お兄ちゃんとあまり仲良くないから、あまり話題に出さないで欲しいな」
と言ったらそのクラスメイトは
「...ふーん」
と言った後取り巻きを連れてどこかに行ってしまった。
「そうなの?」
と綾が聞いてきたので、
「うん」
とだけ返してまた一緒に遊ぶ約束をした。
✦・ーーー ・✦
帰った後ログインすると、
先にベリーが待っていてくれていた。
「やっほー!そういえばラン、メッセージのクエストクリアしてないよね?」
(メッセージのクエスト?)
このゲームではクエストをクリアすることでメッセージ送信機能が使えるようになる。
簡単な説明だけですぐに終わらせることができるので、受けてみることにした。
✦・ーーー ・✦
「このスキルは相手に簡単に文章を送ることができます―――」
ちょっと話を聞くと、メッセージ送信機能が解禁された。
「じゃあ、ちょっと送ってみてよ。」
「うん」
送り方についてはNPCの人から聞いたのですぐに送ることができた。
「これなら休日でも都合を聞けるでしょ?もうすぐ夏休みだから取得しておいたほうがいいかなって」
「うん、ありがとう」
そして、二人は次の町に行くことにした。
✦・ーーー ・✦
「次の町に行くには夜光の森を通って、遮音の遺跡を抜ければいいらしいよ」
「そうなんだ」
(夜光の森はこの前行ったから多分、大丈夫)
夜光の森でモンスターを倒しレベルを上げつつ、遮音の遺跡へと向かった。
遮音の遺跡に着くと、巨大な門があった。
「開けるよ」
「うん」
ベリーが開けると、そこは迷路のようになっていた。
「行こ」
二人は遺跡の奥へと進み始めた。
✦・ーーー ・✦
しばらく進むと、周りの音が小さくなってきた。
「ねぇ、音が小さくなってきたんだけど...」
「あっ、この遺跡は奥に進むほど音が小さくなっていくんだ。中ぐらいまで来ると完全に音が聞こえなくなる遮音状態になるから気をつけてね」
「うん、分かった」
しばらく進むと、完全に音が聞こえなくなった。
そして、開けた空間に出た。
周りのレンガが動き始め、ゴーレムが組み立てられていく。
そしてゴーレムが完成し、こちらに拳を放ってきた―――
ミニメモ
メッセージ受信機能は最初から解禁されています。
運営からのアップデート情報などを受け取るためです。
ゴーレムは2mぐらいです。
ちなみにランはレベル9です。
よわっ。
感想お待ちしています。