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「はあはあ、やったか・・・・・・」
グリズリーは倒れたまま動かない、完全に生命活動を停止させていた。
「良かった成功して、それにしてもすごい威力だ、後ろの木まで貫通してる。もっとコントロールを磨くか周りをよく確認してから使わないとだめだなこれは」
うんうんと、うなっていると横から、あのー、と声がかけられた。
「ああ、大丈夫だった?、どうしてこんな森の奥に一人で?」
「た、助けていただいてありがとうございました。普段は花を売っていて森に入るんですけど今日は全然咲いていなくて、気が付いたら普段より奥に来てしまって・・・・・・」
「そっか、事情はは分かったえーと、そうだ名前は?俺はラルク」
「エリーゼと言います、ラルクさん、改めて有難うございました」
「エリーゼか、良い名前だね、よろしく!そうだ、エリーゼはシュクレインから来たの?」
「はいそうです、ラルクさんもシュクレインから?」
「いや俺はアーシャ村って所から、ちょっと訳があってね、王都を目指していたんだ、良かったら王都まで一緒に行こうか?」
「はい!ぜひ!、ご一緒させてください!」
エリーゼが仲間になった
「それに、してもグリズリー一撃で倒してしまうなんてすごい魔法ですね!」
エリーゼはキラキラした瞳で見つめてきた。
「あ、うん、ウォーターカッターっていうんだ、危ないから普段は使わないけどね」
「そうなんですか!ラルクさんはすごい魔法使い様なんですねわたしとそんなに年も変わらなそうなのに」
精神年齢は違うがそれは黙っておこう、実際覚えていないし。
「俺は13だけどエリーゼは?」
「あ、私は14になります、えへへ、私の方がお姉さんですね!でもでも、そのままエリーゼって呼んでくださいね!」
意外だった、年は同じか下かと思っていたから、1つとはいえ年上とは。
「分かったよエリーゼ、俺のこともラルクって呼んでくれ」
さん付けは癖なので、とやんわり断られた。
「もうすぐシュクレインですよ!門が見えてきました」
そびえたつ10メートルを超える巨大な門、その巨大な門の前に二人の兵士が立っている。そして一人がエリーゼに気が付くと声をかけてきた。
「お、エリーゼちゃんお帰り、今日は花無かったみたいだね、っとそちらの子は?」
兵士が俺に気づいたようだ。
「初めまして、俺ラルクって言います、仕事が欲しくて王都に来ました、腕には自信があります!」
本当は言い切る程の自信はないのだが、グリズリーを倒せたのである程度の魔獣なら大丈夫だと踏んでいる。
「ラルクさんはですね!すごいんですよ!グリズリー1撃でどかんとやっつけちゃったんですから!」
そうエリーゼが言うと兵士二人は腹を抱えて笑い出した。
「はっはっはっグリズリーを?1人で?まさかぁ、大人3人でも手こずる魔獣を1撃で倒すなんて、エリーゼちゃん冗談が下手だねえ」
わっはっはと兵士二人はまだ笑っている。エリーゼは頬を膨らまして抗議しようとするがそれを制止する
「いいんだよエリーゼ、兵士さん、休みたいのでいい宿あったら教えてくださいよ、出来れば安いところを」
「うん、ああ宿な、それなら三日月亭ってとこが安くて飯もうまくて良いぞ」
三日月亭ね
「ありがとう兵士さん、それじゃ」
と、帝都に入ろうとしたら兵士二人は槍を交差させ帝都に入るのを止めてきた」
「あの、なにか?」
「知らないのか?シュクレインに入るには500ベル必要だぞ、エリーゼちゃんはこの町の住民だから関係ないが」
知らなかったどうしよう。一応500ベルあるがそれですっからかんだ。
「なんだ払えないのかなら申し訳ないが」
「いや払えます、払います、はい500ベルですどうぞ」
泣く泣く持ち金すべてを兵士に渡す。
「確かに、受け取った。はいこれ」
と渡されたのは滞在許可と書かれた木札だった
「あのー、これもしかして日数制限とかあります?」
「ああそれで3日間滞在可能だ、過ぎるとまた500ベル必要になる、ま仕事探しに来たんだろ?500ベルくらいなら3日間薬草探しでもすればたまるだろうよギルドに行けば依頼書あるだろうからさ」
「分かりました、有難うございました。」
兵士にお礼を言い王都シュクレインに1歩踏み出した。