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なんだよ父さんも母さんも、最初は喜んでくれたのにすぐに手のひら返すなんて。
泣きながら僕は走った。途中村の何人かが声をかけてきたが無視して夢中で走った。そしてよく木の実を採りに来るアカシャの森に来た。アカシャの森は危険が少なく僕より小さい子供たちもよく川で遊んでいたりする。 ただ川を超えると、獣や魔獣が出てとても危険で村の大人ですら川を越えない。でも・・・・・・
「この力があれば、森の奥の獣だって倒せる!魔獣は怖いけど逃げればいい」
魔法の力を得て調子に乗ってしまった、ラルクはまだ13の子供、森の恐ろしさを知らない。だがラルクはおのれの力を過信して奥に進んだ、進んでしまった。
虫や鳥の声は聞こえない、ただ、ざわざわと木々が鳴いている。 そして10分ほど歩いた頃それは突然だった。棍棒を持った2足歩行の獣が3体ラルクの前に飛び出してきた。
「あれは、図鑑で見たことがある、コボルト!」
考える間もなくコボルトたちは棍棒を振りかぶりラルクに襲い掛かってきた。ラルクは魔法を使おうとシカが恐怖で足が竦み、口が開かない。
「ウ、ウ、うわぁー」
目の前に棍棒が迫る、10センチ
父さん母さんごめんなさい、、5センチ
僕が愚かでした、3センチ
さようなら、僕の人生、1センチ
ドカッ、グチャ、ベチャ
3体のコボルトになすすべもなくやられてしまいました。