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入学試験当日、学園には多くの受験生たちが集まっている。おそらく貴族が乗っているであろう馬車が次々と来る。 僕の受験番号は87番、早速試験会場の教室に行く。すでに教室は殆ど埋まっていた。
静かに座っている人もいれば後ろの席の子と雑談している者もいる。もちろん僕に知り合いはいない。静かに席に座った。
試験は1科目50分で国語、数学、社会、魔法学、それと実技の計5種目だ。しばらくして試験官が入ってくると教室は静寂に包まれた。そして試験官の始めの掛け声とともに一斉にペンの音が鳴り響く。
順調に問題を解いていき見直しをする。社会と魔法学で1問づつ分からない問題が出たが他は問題ないだろう。 そして試験終了の合図が試験官より発せられる。
「そこまで!昼食休憩のあと実技を行うので各自休憩を取り次第グラウンドへ向かうこと昼食は食堂で注文もできるからな、ではお疲れ様」
ふうと息を漏らす。周りもひとまず試験が終わり安心したのか、伸びをするものや、早速周りと話し合う者がいた。 話す相手もいないので早速食堂に向かった。
すぐに食堂に向かったのでまだ人はあまりいなかった。何を食べるかメニューを見ていると突然後ろから声をかけられた。
「君、良い魔力をしているね、まるで魚が泳ぐかの如く全身に魔力が流れている」
「ど、どうも」
突然のことだったので思わず素っ気なく返してしまった。
「ああ、驚かせてすまないね、僕はジェラルド、ジェラルド・バイエルンだ。君は?」
家名持ちならおそらく貴族であろう、だがここは遜ることなくフランクに接しよう、貴族にはプライドが高い者も少なくはない、勿論傲慢な者もいる、だが彼からはそのようなことは感じず、むしろ対等な関係で話そうというニオイを感じる。
「僕はラルク、家名はないよ、それにしても魔力の流れって?」
「ああ、僕の眼は特別でね、魔力を視ることが出来るんだ、君の魔力は今日視てきた中で一番きれいだった。だから声を掛けたくなったんだ」
ジェラルドはそう言った。
それにしても魔力を感じるのではなく実際に視ることができるとは、彼も相当魔法の扱いが上手そうだ。
「おや、貴族ではないんだね、珍しい、貴族ではない者がここまでの魔力を持っているのは初めて見た。そうだ、友達になろう、君なら勿論受かるだろうし、良いライバルになりそうだ」
早速友達ができた。何気にこっちの世界では初めての友達だ、ギルドでは同年齢の人は殆どいないし、一緒に依頼を受ける人がいても事務的に組むことが多かったからだ。
「うん、よろしく。ジェラルド、って呼んでいいかな」
「もちろんだよラルク、これからよろしく」
僕たちはがっしりと握手を交わした。




