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「はい、確かにではこちら報酬の5万ベルです」
報酬は山分けかと思っていたら1人5万ベルもらえた、思わぬ収穫だ。
「しかし、相手を窒息させるとは、確かにそれならば魔法耐性がある魔物に対して有効じゃ、ラルクよ、おぬしの魔法はかつての大魔法使いマーリン並みじゃな」
「それ、言い過ぎ」
どこか見覚えのあるやり取り。
「ごほん、しかしお主は恐ろしい魔法ばかり生み出すな、水魔法使いは戦闘職としては地味な方なんじゃが」
「そうね、もちろん大事なんだけど消火活動とか、飲み水の手配とかそんなのばっかりでね」
「あはは、水魔法使いの地位向上ですね!」
しかし一転ギルド長は険しい表情を浮かべた。
「じゃが、その魔法、広めることを禁ずる」
ギルド長はそう言った。
「なぜですか?この魔法が有れば今まで倒せなかった魔物も倒せるようになるし私たち水魔法使いの評判も良くなりますのに」」
ロレンタさんが声を上げる。
「例えばの話じゃが1人の貴族の少女が歩いてたとしよう、もちろん護衛付じゃ、何処から放たれるでもなくいきなり現れる水にどう対処する。要は暗殺に向きすぎているんじゃ、その魔法は」
いきなり顔に水が覆われたら恐らくパニックを起こして水を飲み込み溺死してしまうだろう。私もいきなり受けたら対処出来ないだろう、恐ろしくなり肝が冷える。
「残念じゃがそういうことじゃ、ラルク、アンナ、ロレンタよ分かってくれるな」
仕方がないがこの魔法は封印することにした。
「気を取り直して、ラルク君初めての依頼だったんでしょ?記念に一緒に食事でもどう?アンナも一緒に」
ロレンタさんからお食事のお誘いだ、勿論断る理由は無いのでokした。
「そうね、5万ベルも入ったし少し良い所に行きましょうか」
2人に連れられて銀のトバリという店に来た。
「いらっしゃいませ、3名様でございますね、こちらへどうぞ」
店の雰囲気はシックで落ち着いている。そのまま案内された席に着くとすぐさまお水とメニューが置かれた。
「本日のおすすめは子ミノタウロスの赤ワイン煮込みになります、ごゆっくりどうぞ」
一礼をし店員は下がっていく。
「この赤ワイン煮込みが最高なのよね!、私はもちろんこれにするわ、2人はどう?」
「私もこれにします!ラルク君も一緒ですね、すみませーん」
「子ミノタウロスの赤ワイン煮込み3つお願いします」
「ライスとパンがありますがどちらにいたしますか、はい、ライス2つとパンですねかしこまりました、お飲み物は、はい、果実水3つですね、少々お待ちください」
村にはなかったがどうやら米があるようだ。パンも村では固い黒パンが一般的だったが、こういう店なら柔らかいパンが出てくるのだろう、しかし心は日本人、やはり米が食べたい。20分ほどしてやってきた子牛の赤ワイン煮込み、芳醇なソースの匂いが鼻をくすぐる。そしてホカホカの白いご飯、思わずよだれがたれそうになる。ごくりと唾を飲み込む
「わーおいしそうです!」
ロレンタさんが声を上げる。
「うん、良い香り、それに、あむ、柔らかいわ、口の中でとろけるよう」
「いただきます」
mgmg、う、うまい、ミノタウロスといえば筋骨隆々のイメージだが子供の肉だからか柔らかく口の中でほろほろと身が崩れる、芳醇なソースがまた相性が良い。これを米と一緒に口に入れる。うん、幸せだー。
あっという間に食事の時間は過ぎて行った。




