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「まずは小手調べだ、行くぜ!ファイアボール!」
ギーシュの発声とともに炎の球が勢いよく飛んでくる。
「ならこっちも!ウォーターボール!」
手のひらを突き出し魔力を集中し発射する。水の球は炎の球をかき消しギーシュに向かって飛んで行く。
それをギーシュはひょいと横に躱す。炎の球とぶつかり合い威力の下がった水の球は後ろの壁に当たり傷つけることなく消滅した。
「ふう、水使いか、相性わりいなぁおい、まあいい、どんどん行くぜファイアボール!!」
再び炎の球が襲ってきたが、今度は3つ同時に飛んできた。1回の詠唱で3つ同時に飛ばしてくるとはギーシュは魔法使いとしてかなり優秀なようだ。 こちらはまだ同時に魔法を使えないので先ほどより魔力を込め巨大な水の球を生成する。
「ウォーターボール!!」
3倍ほど魔力を多く込めた水の球は巨大な塊となりギーシュはゆっくり向かって行く。当然3つの炎の球はかき消されて消滅する。
「すげえ魔力だな、だが速度が遅いぜ」
ひょいと躱される。
「次ぁ近接だ、どう対処する?ラルク!」
斧を振りかぶり1歩、2歩と近づいくる、近接攻撃、寸止めルールだが迫力があり、思わず1歩引き下がってしまう。
「おいおいどうしたこれで降参かぁ?」
「っく、ウォーターボール!」
近づかせないためにウォーターボールを放つが狙いが逸れてしまう。
「おら!食らえ!」
ギーシュの一撃!ラルクは寸でのところで躱す、がすぐさま2回目の攻撃が迫ってくる。今度は斧を横に構え薙ぎ払おうとしてくる。
「っく、やるしかないか、ウォーターカッター!!」
一点に集中し、構えられた斧に向けてウォーターカッターを放つ。指先から放たれたそれは柄に命中し斧の刃がからりと地面に落ちる水の刃は勢いを止めず後ろの壁を深く切り裂いた。ギーシュは驚愕の表情を浮かべている。
「な、なんて威力してやがる、あんなの食らったらひとたまりもねえじゃねえか!」
パンッと手をたたく音がした。ギルド長が声を発する。
「そこまで、なんと恐ろしい魔法じゃ、ラルク君や、その魔法、あまり人前で使うでないぞ、危険すぎる力じゃ、だがみごとなコントロールじゃった」
褒められはしたがこれでむやみにウォーターカッターを使うことができなくなってしまった。
「はい、わかりました、まだ2種類しか魔法を使えなくてつい打ってしまいました」
「なんと!ウォーターボールとそのウォーターカッターの2種類しか使えないのか、うーむ」
「はい独学で得た魔法なので・・・・・・」
「独学とな、そうか・・・・・・のう、ラルク君、提案があるんじゃが」
「提案?」
「学園、通ってみないかの」




