《 水中花 》
半透明の 白濁した液体の中で咲く
我 水中花
濃桃色の花弁を開き
薄桃色の核を尖らせて
白き液で艶やかに体を濡らす
我 水中花
観て
観て欲しい
この大きく咲き開いた姿
我 水中花
花弁の奥から滲み続ける蜜は
我覆う白き液に混ざり
一層 艶めく一輪の花
観て
観て欲しい
我 淫らに 乱れて咲く水中花
《 美味しい苺 》
私を一粒
そのまま頬張って
食べて欲しいの。
舌で押し潰せば
口の中いっぱいに
広がる甘味と酸味。
唇の端から
果汁が垂れて
落ちないように
気をつけて食べて欲しいの。
だって 勿体ないでしょう?
果汁 一滴
残さず食べて欲しい
私は 美味しい苺だから。




